ロシア、「不都合な報道」に圧力=米紙記者拘束で警告
国営ロシア通信は26日、モスクワで拘束中の米国人記者エバン・ゲルシコビッチ氏が所属する米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、ロシアに不都合な報道をやめるよう警告する「関係者」の話を伝えた。自国メディアだけでなく、外国メディアへの圧力を一段と強化した形だ。
この「関係者」がプーチン政権と治安機関のどちらに属するかは明らかでないが、ロシア通信に「WSJがロシアに関する偽情報を伝える形で、報道と関係ない活動に従事し続けるならば、編集部がゲルシコビッチ(記者)の運命に関心がないという意味になる」と語った。記者の長期拘束や厳罰につながりかねないと脅した可能性がある。
また、この「関係者」は「ここ数日間にもWSJは、ロシアに関し虚偽に基づく記事を公表した」と決め付けた。どの記事が問題視されたかは不明だが、WSJはゲルシコビッチ氏の拘束後も、ロシアのウクライナ侵攻を巡る報道を継続している。
ゲルシコビッチ氏は「スパイ容疑」で3月下旬に拘束された。記者証を発給するロシア外務省は当時、「米国かフランスか日本かにかかわらず、外国ジャーナリストに(報道内容に関して)何かを申し立てたことはない」(ザハロワ情報局長)として、報道の自由が担保されていると主張していた。今回の「関係者」の話は、これと矛盾することになる。
[時事通信社]
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