少子化対策「施策重点化を」=国債頼らず安定財源確保―財政審建議
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が経済財政運営の基本指針「骨太の方針」に向けまとめた建議(意見書)の骨格が26日、経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)で示された。焦点の少子化対策では「真に必要な施策に重点化し、将来世代に負担を先送りするのではなく、社会全体で安定的に支えていく必要がある」と強調。国債に頼らない安定財源確保を求める。
建議は29日の財政審で取りまとめ、公表する。少子化対策については「国家の命運を左右する取り組み」と指摘。財源確保のため「医療・介護など社会保障分野の歳出改革の断行」を求め、「企業を含め、社会・経済の参加者全員が公平な立場で広く負担する新たな枠組み」を提案する。
医療分野の改革の具体策として、医師や診療所が都市部に偏っている問題に対し新規開業規制を含めて対応することや、デジタル化による医療の効率化や質の向上を訴える。介護分野では現役世代の保険料上昇を抑制するため、介護サービス利用料の自己負担を2割に引き上げる対象を早急に広げるよう求める。
財政健全化への取り組みに関しては「グローバルな経済・金融環境が急速に変化している」との認識を示す。今後の金利上昇も視野に入れつつ、「財政に対する信認の低下が市場のかく乱要因とならないよう、これまで以上に注意が必要となっている」と警告する。
[時事通信社]
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