スーダン、国外退避本格化=72時間の停戦期限切れ
【カイロ時事】正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が交戦するスーダンで、各国は23日、自国民の退避を本格化させた。両者が合意した72時間の停戦期限は24日午前6時(日本時間同日午後1時)。軍とRSFは互いに停戦違反を非難し、戦闘が収まる見通しは立たず、治安悪化の中で退避活動は重大局面を迎えている。
軍とRSFは21日、イスラム教のラマダン(断食月)明けの祝祭に合わせた停戦を発表。これを提案したグテレス国連事務総長は20日、紛争当事者がイスラム教徒だとして「恒久停戦の一歩になる」と期待したが、首都ハルツームを中心に連日衝突が伝えられた。
米英両国は23日、大使館員や家族らを退避させたと発表。AFP通信によると、フランスも23日に欧州各国などの市民約100人を周辺国ジブチへ空路脱出させた。首都の前線を通過するため、仏大使館がRSFと交渉するなど「複雑なオペレーションだった」という。ドイツ軍は23日、ハルツームから輸送機で101人を移送。スペインも自国民に加え、欧州や中南米の市民ら約100人を軍用機で退避させた。
サウジアラビアは、自国を含め計13カ国の外交官や市民を陸路で東部ポートスーダンに移動させ船で脱出。ポートスーダンは退避拠点の一つとなっており、国連機関の車列も向かっている。AFPは、トルコも23日に首都や南部の都市から陸路での退避を計画したが、集合地点の近くで爆発が起きて延期されたと伝えた。日本もジブチに航空自衛隊の輸送機が到着し、在留邦人退避の機会を調整している。
国連によると23日までに420人以上が死亡、3700人以上が負傷。戦闘地域では7割の病院が閉鎖し、路上に遺体がある状態で、死傷者はさらに多いとみられる。
[時事通信社]
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