マリン政権続投成るか=総選挙投票実施―与野党三つどもえ―フィンランド
【ヘルシンキ時事】フィンランドで2日、議会(一院制、定数200)選挙の投票が行われた。マリン首相率いる中道左派の与党・社会民主党(SDP)と保守の野党・国民連合、右派の野党フィン人党の三つどもえの争いのまま投票日を迎えた。ロシアのウクライナ侵攻を受け、フィンランドを北大西洋条約機構(NATO)加盟に導いた首相が続投できるかは微妙な情勢だ。
2日午後8時(日本時間3日午前2時)の投票締め切り後に開票され、早ければ2日中に大勢が判明する見通し。選挙戦は、経済・財政政策や公共サービス改革が主な争点となった。通常は最大政党が軸となり小党と連立を組むため、政権発足は連立協議を経た後となる。
マリン首相は2019年末にフィンランド史上最年少の34歳で就任した。直後に新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われたが、冷静な危機対応で評価を得た。22年のウクライナ侵攻後、ロシアを警戒する機運の高まりを踏まえNATO加盟申請へ外交・安保政策の大転換を主導した。選挙直前の3月末に加盟決定の知らせがもたらされた。
マリン氏は国内外で高い知名度を誇るが、首相個人の人気は与党への追い風に必ずしも反映されていない。最新の世論調査では、支持率トップは国民連合で、SDPはフィン人党に後れを取り3番手となった。
ヘルシンキ市内の投票所では2日、多くの有権者が一票を投じた。「最大の関心は子育てを巡ること」という子連れのエンジニアの女性(28)は、「SDPが勝てばいい。マリン氏は若いが指導力を発揮してきた」と評価した。
会社員のアンさん(63)は、「右派が勝つ」と予測。欧州連合(EU)懐疑派のポピュリスト政党と見なされるフィン人党の移民政策には同意しないとしつつ、「国は変化を必要としている」と主張した。
地元紙ヘルシンギン・サノマットの政治記者ロバート・スンドマン氏は時事通信の取材に「マリン氏の人気は高いが、選挙では大抵、野党が有利となる。ポピュリスト政党も世論調査より実際の選挙で良い結果を出すことが多い」と3党間の接戦を予想。また、どの党が勝っても連立相手の調整は難航し「協議は非常に長引く」と分析した。
◇21世紀の歴代フィンランド首相(カッコ内は所属政党)
リッポネン(SDP) 1995~2003年
ヤーテンマキ(中央党) 03年
バンハネン(中央党) 03~10年
キビニエミ(中央党) 10~11年
カタイネン(国民連合) 11~14年
ストゥブ(国民連合) 14~15年
シピラ(中央党) 15~19年
リンネ(SDP) 19年
マリン(SDP) 19年~
[時事通信社]
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