2023-03-31 09:20

「自然を回復軌道に」=生物多様性で戦略決定―政府

 政府は31日、新たな生物多様性国家戦略を閣議決定した。2030年に向けた大きな目標として、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止めて反転させることを掲げた。達成に向け、30年までに陸域と海域の30%以上を保全する「30by30」など25の行動目標を設け、対策を加速させる。
 昨年12月にカナダで開催された国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)は、「30by30」を盛り込んだ新たな世界目標を採択。今回の戦略はこれを踏まえた。 
 戦略は、生物多様性が危機に直面している要因として、開発をはじめとした人間の活動のほか、気候変動や海洋の酸性化といった地球環境の変化を指摘した。こうした観点から、生態系の回復に加えて、気候変動と生物多様性の双方を見据えた対策、自然に配慮した経済の実現などに取り組む必要性を強調した。
 行動目標としては、二酸化炭素(CO 2)を吸収する森林などの自然再生を通じて、気候変動と生物多様性保全に対処することや、再生可能エネルギー設備を設置する際は環境に配慮することを挙げた。このほか、ESG(環境・社会・企業統治)重視の投融資を推進するため、事業活動による生物多様性への影響に関する情報開示を企業に促す。
[時事通信社]

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