2023-03-30 17:05World eye

中世のタイムカプセル モーリタニアの私設図書館

【シンゲッティAFP=時事】モーリタニア・サハラ砂漠の中心に位置する町シンゲッティで、サイフ・エル・イスラム・アフメド・マフムードさんは古い書物のページを慎重にめくる。≪写真は、モーリタニア・シンゲッティで、一族の私設図書館の一室で書物を読むサイフ・エル・イスラム・アフメド・マフムードさん≫
 薄い紙に炭とアラビアガム(アカシア樹脂)を混ぜたインクで記された文字を見ながら「詩がなかったら世界はどうなるのだろう」とつぶやく。
 この書物は、アフメド・マフムードさん一族が所有する700冊のうちの一つだ。
 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されているシンゲッティには、約6000冊のアラビア語書物を所蔵する13の私設図書館があり、その多くは中世後期にまでさかのぼる。
 町に保存されている書物のテーマは、イスラム教や天文学、法律、数学、詩など多岐にわたり、人類の文化や進歩を示すタイムカプセルとも言える。
 紙や羊皮紙に書かれているものが多いが、羊の皮に記されたものもある。
 これら書物は、シンゲッティがアフリカ大陸西岸とイスラム世界の中心地メッカを結ぶ交易路にまたがる地点に位置することからもたらされた、非常に貴重な知識、芸術、哲学遺産だ。
 住民によって集められた書物は、その一族が代々管理してきた。
 シンゲッティの中央広場では、アブダラ・ハボットさんが一族の所有する私設図書館の扉を開ける。
 ハボットさんは、町を訪れた旅人のおかげで、これまでに1400冊以上の書物を手に入れることができたと話す。
 しかし、町の書物は現在、脅威に直面している。気候変動の影響で鉄砲水が発生し、書物を保管する古い建物が危険にさらされているためだ。
 アフメド・マフムードさんは、私設図書館が崩壊すれば「古くからの記憶は失われ、われわれは皆、貧しくなる」と警鐘を鳴らした。【翻訳編集AFPBBNews】

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