早期解散論に神経とがらす=山口公明代表、岸田首相に連日くぎ
与野党で浮上した早期の衆院解散・総選挙の観測に公明党が神経をとがらせている。重視する4月の統一地方選との「ダブル選」や、6月21日の通常国会会期末までの解散となれば、支持母体・創価学会の組織力がそがれかねないからだ。
公明党の山口那津男代表は29日、岸田文雄首相と首相官邸で昼食を共にした。席上、山口氏が回復基調となった最近の内閣支持率の話題に水を向けると、首相は「一喜一憂しないで着実にやるべきことをやっていく」と語ったという。
山口氏は昼食後、「解散の話はしていない」と記者団に説明したが、公明党内では「統一選と解散を近接させるのは困ると首相にくぎを刺したのだろう」(関係者)との見方がもっぱらだ。
2023年度予算が成立した28日、山口氏が国会内の公明党控室を訪れた首相に「いよいよ統一選ですよね」「解散じゃありませんね」とけん制する場面もあった。党関係者は「普通は表でしない話をあえてした」と解説する。
党幹部は水面下でも首相サイドと接触を重ねている。党幹部の一人は29日、「少なくとも4月総選挙となるような直近の解散はない」との感触を得て胸をなで下ろした。学会関係者は「統一選を戦うと組織が疲弊する。衆院選との間を最低でも3カ月は空けてほしい」と語った。
今回の統一選は、大阪市議選で日本維新の会の伸長を許してキャスチングボートを失えば、大阪府内の衆院小選挙区を公明党と維新ですみ分けてきた「共存関係」が崩れかねないとの危機感もある。党関係者は「大阪市議選後に戦略練り直しの時間が必要になる可能性がある」と説明した。
首相は29日の衆院内閣委員会で「今、衆院解散は考えていない」と語った。ただ、自民党幹部は「5月のG7広島サミット(先進7カ国首脳会議)後はあり得る」と指摘する。公明党内では「最後は首相の専権事項。夏前まで引き延ばせれば容認するしかない」(関係者)との声も出始めた。
[時事通信社]
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