「8.8億回分」根拠不十分=新型コロナワクチン事業で―検査院
国が昨年度までに結んだ新型コロナウイルスワクチンの供給契約計8億8200万回分について、会計検査院は29日、「回数の算定根拠が不十分」とする報告書を公表した。政府が公表しているワクチン総接種回数(27日時点)は約3億8300万回にとどまっており、検査院は厚生労働省などに対して改善を求めた。
検査院によると、厚労省は2020年10月~22年3月、ファイザーやモデルナなど4社と計8億8200万回分の供給契約を結び、基金管理団体を通じて計1兆4578億円を支払った。このうち、アストラゼネカ製ワクチンは1億2000万回分の契約に対し、自治体への供給は18万5900回分だった。海外で血栓症が報告されるなどしたためで、約6230万回分はキャンセルとなった。
厚労省は「世界でワクチン獲得競争が続く中、国民が速やかに接種できるようあらゆる可能性を視野に入れた」と説明。特定の会社がワクチン開発に失敗した場合も含めて、シミュレーションを行ったとした。
これに対し、検査院は回数の具体的な算定根拠について十分な説明が得られなかったとして、「適切とは言えない」と判断。アストラゼネカ製のキャンセルについても、厚労省は提示された返金額が適切かを確認していなかったと指摘した。
厚労省の担当者は「ワクチン確保もキャンセルも早く契約を結ぶ必要があった」と強調。「今後は算定根拠が分かるような資料を作成し、返金額についても妥当性を検討する」と話している。
[時事通信社]
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