2023-03-23 19:40

岸田政権、再浮揚へ試金石=野党は足腰強化課題―統一地方選

 統一地方選の幕開けとなる9道府県知事選が告示された23日、与野党幹部は各地で支持を訴えた。4月23日投開票の衆参5補欠選挙まで続く「選挙月間」は、岸田政権にとって政権再浮揚をかけた試金石となる。与党は政権基盤の安定化を目指し、野党各党は対抗勢力としての「足腰」強化に総力を挙げる。
 4月9日は、9知事選と41道府県議選のほか政令市の市長選・市議選が投開票される。同23日は、衆院千葉5区、和歌山1区、山口2、4区、参院大分の5補欠選挙のほか、統一選後半戦の市区町村長・議会選がある。
 自民党の茂木敏充幹事長は23日、県知事選や参院補選のある大分入りし、「知事選勝利を期し、その勢いを統一選後半戦、補選へとしっかりつなぎたい」と訴えた。
 与党は、岸田文雄首相によるウクライナへの電撃訪問や韓国の尹錫悦大統領の来日を踏まえ、「支持率は上がる」(幹部)と見ている。ただ、物価高など市民生活に身近な課題で対応をしくじれば、不満が噴出しかねないとの危機感もある。
 政府は22日、予備費を財源に2兆円超の追加物価対策を決定。「予算倍増」をうたう子ども・子育て支援策も、財源は後回しで月内に「たたき台」を取りまとめる。自民党関係者は「今見なければいけないのは野党よりも国民」と、世論の動向に神経をとがらせる。
 公明党は統一選を国政選挙並みに重視。党勢回復を懸け、政府に求めていた物価高対策などが実現したことを、有権者にアピールする。
 野党各党は党勢拡大に向け、与党に比べ脆弱(ぜいじゃく)な地方組織の強化を目指す。
 立憲民主党は、各地の議会選挙で改選される約800議席の上積みを図りたい考え。日本維新の会は現在の1.5倍に当たる地方議員600人を目指し、馬場伸幸代表は目標を達成できなければ代表辞任の意向を示している。国民民主党は改選約150議席の倍増を、共産党は現有約1200議席の「絶対確保」を目標とする。
 野党側は今回の統一選を「岸田政権の評価を問う選挙」と位置付ける。立民の泉健太代表は23日、千葉県市川市で記者団に「今の政治は賃上げがまだまだ不十分で、子育て支援も後回しだ」と指摘。「政治を転換させるため、野党に力をいただきたい、その思いでがんばる」と意気込みを示した。 
[時事通信社]

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