サンマの管理強化提案へ=歴史的不漁で漁獲枠削減も―22日から国際会合
サンマの資源管理を話し合う国際会議「北太平洋漁業委員会(NPFC)」の年次会合が22~24日、札幌市で開かれる。歴史的な不漁が続くサンマの資源量減少を踏まえ、日本政府は漁獲枠の削減など資源管理の強化を提案する方針で、中国など漁獲量の多い国が同調するかが焦点だ。
NPFCは、北太平洋公海での水産資源管理に向け2015年に発足し、日中や台湾、米国、ロシアなど9カ国・地域が加盟。昨年の会合はロシアによるウクライナ侵攻の影響で延期され、今回はオンラインと組み合わせて2年ぶりに開催される。
日本のサンマ水揚げ量は、農林水産省の調査で1958年の約58万トンをピークに減少傾向が続く。特に近年の落ち込みは激しく、全国さんま棒受網漁業協同組合(東京)によると、昨年は前年比2.0%減の1万7910トンと、4年連続で過去最低を更新した。
資源減少を踏まえ、NPFCは19年の会合で初めて全体の漁獲枠を設定。21年には18年実績比4割削減で合意した。一方、日本は各国・地域別の漁獲枠導入も求めており、今会合での議論の行方が注目される。
北海道大学大学院の佐々木貴文准教授は、「各国とも実際の漁獲量は漁獲枠を下回っている。枠の大幅な削減ができなければ(資源管理の)意味がない」と話している。
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