米新興企業、融資急減を懸念=SVB売却先、選定が難航
【シリコンバレー、ニューヨーク時事】米西海岸の新興企業を支えたシリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻から1週間余り。米金融当局が預金全額保護を決め、同行の窓口も再開したことで、破綻直後の大混乱はひとまず落ち着いた。ただ、事業を引き継ぐ売却先選定は難航しているもよう。急速な利上げで投資マネーが細る中、新興企業やベンチャーキャピタル(VC)は、融資急減への不安を募らせている。
「従業員の給与支払いができなくなる」「料金徴収はできるのか」。VCの出資先企業の半数近くと取引があるSVBが破綻した10日、地元シリコンバレーは騒然となった。
地元VC幹部は、新興企業で給与支払いが滞る可能性を念頭に「これはかなりまずいことになる」と焦りを募らせた。新興企業にクラウドサービスを提供する大手IT企業幹部は「利用料の決済ができなければ、当社の収益にも影響が出かねない」と状況確認に追われた。
調査会社ピッチブックによると、SVBは、伝統的な銀行の枠にとらわれず、スタートアップ企業の資金繰り支援や、VCの投資サポートなども手掛けてきた。米VC幹部は「(スタートアップ企業が育つ)エコシステム(生態系)の中で非常に重要な銀行だった」と語る。
米連邦預金保険公社(FDIC)は、競売方式でSVBを売却する考え。ただ、米メディアによると、破綻直後の1回目の入札は不調だった。近く再入札する方針だが、先行きは見通せない。ピッチブックのアンドリュー・ウッドマン氏は、大手金融が買収したとしても「スタートアップ企業のニーズに応えるスキルやリスク許容度はないだろう」と指摘する。
信用不安の中、景気後退リスクが高まり、銀行の融資基準厳格化も懸念されている。米VC大手サファイア・ベンチャーズ幹部のジェイ・ダス氏は「1年以内に資金の手当てが必要になる企業を洗い出している」と説明。中長期的には資金難に陥る企業が出てくるとの見方を示した。
[時事通信社]
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