「戦犯」の烙印、無効と主張=世論の動揺警戒―ロシア
ロシアのウクライナ侵攻に絡み、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状を出されたプーチン大統領は、「戦犯」の烙印(らくいん)を押された形になった。プーチン氏の5選出馬が取り沙汰される大統領選を1年後に控え、政権は同氏への支持率8割という世論に動揺を与えないよう「逮捕状は無効」(ペスコフ大統領報道官)と国内向けに訴えている。
「大統領に対するいかなる攻撃も、わが国に対する攻撃と見なす」。プーチン氏側近のウォロジン下院議長は通信アプリへの投稿で逮捕状発付に猛反発し、ロシア国民の団結は揺るがないと主張した。ロシアでは、問題となった子供の連れ去りは「戦災孤児の養子縁組」として美化されており、他の高官らも一斉にプーチン氏を擁護した。
プーチン政権は当初、ウクライナ南部クリミア半島「併合」から9年の節目に当たる18日にモスクワで約20万人の「官製集会」を行う計画だったが、ICCの発表直前に集会中止の事実が明らかになった。官製集会は公共部門の労働者らを動員する予定調和的なものとはいえ、逮捕状発付が近いという情報を入手した政権側が、不測の事態が発生し、国営テレビで放映されることへの懸念を深めた可能性がある。
外交面では、ロシアはICCの権威を引き合いに米国を批判する手法を取れなくなった。ネベンジャ国連大使はかつて、アフガニスタンでの米兵による戦争犯罪の捜査に当たるICC主任検察官らに米政府が一時的に制裁を科し、圧力をかけたことを非難。しかしロシアは今回、逮捕状の正当性を否定したことで、米国などの「ICC軽視」を指摘し難くなった。
国際社会からロシアに厳しい目が向けられることも避けられない。プーチン氏は9月にインドで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議への出席を検討していると伝えられるが、外遊計画に狂いが生じる可能性もある。
[時事通信社]
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