米銀破綻、責任追及の動き=米当局が調査、自社株売却も焦点に
【ニューヨーク時事】シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行の米中堅2行の経営破綻を巡り、責任追及の動きが出始めた。米メディアによると、米司法省と米証券取引委員会(SEC)は両行の破綻の経緯などの調査に着手。SVB破綻前に親会社SVBファイナンシャル・グループの経営陣が実施した自社株売却についても調べている。経営実態やリスクの説明などの情報開示が焦点になりそうだ。
SECのゲンスラー委員長は「個人、法人を問わずに調査し、連邦証券法違反が見つかれば摘発する」と強調した。
SVBは、IT系の新興企業を主要顧客にしていた。そのため、新興企業の資金調達環境が悪化すると顧客は一斉に預金引き出しに動き、同行は一気に資金繰りに行き詰まった。
SVBの親会社は、2月に当局に提出した年次報告で顧客が偏っていることのリスクに言及していた。しかし、米メディアによると、ベッカー最高経営責任者(CEO)は同月の会合で、新興企業の業種が多様なためリスクはないと、異なる説明をしていたという。
また、ベッカー氏は破綻の11日前の2月27日、ストックオプション(自社株購入権)を行使した上で、株式をその日のうちにすべて売却。米メディアは230万ドル(約3億円)の利益を得たと伝えた。事前に定めた計画通りだったというが、米当局は経緯を調べている。
一方、ブルームバーグ通信によると、暗号資産(仮想通貨)関連業者との取引が多いシグネチャー銀については、マネーロンダリング(資金洗浄)対策や口座管理がずさんだった可能性が指摘されている。
SVBの親会社とシグネチャー銀の株主はそれぞれ、14日までに経営陣を相手取り、損害賠償請求訴訟を起こした。信用不安を引き起こした破綻の責任は法廷でも追及されることになる。
[時事通信社]
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