マスク着用緩和、正常化に一歩=追加対応は「5類」見極め―交通・小売り
新型コロナウイルス対策のマスク着用が個人の判断に委ねられた13日、航空や鉄道、小売り各社は、利用客への着用呼び掛けを一斉に取りやめ、正常化への新たな一歩を踏み出した。ただ、さらなる対策緩和については多くの企業が、世論やコロナの感染症法上の位置付けの「5類」移行を見極めながら慎重に進める構えだ。
東京・羽田空港の国内線ターミナルでは13日、旅行客の大半がマスク姿だった。全日本空輸や日本航空は、機内や空港での着用を乗客と従業員の個人判断としたが、マスクなしへの根強い慎重姿勢が浮き彫りとなった。
全日空は「急に全員がマスクを外すということはない」(顧客戦略の担当者)と指摘。個々人の考えを尊重しつつ、トラブル回避を重視する考えを示す。
鉄道各社も13日から、乗客にマスク着用を求める車内放送をやめた。ただ、政府が混雑時のマスク着用を推奨していることもあり、東京都内の鉄道各線では同日朝、大半の通勤客がマスクを着用して乗車する姿が見られた。乗務員らのマスク着用は当面続ける方向だ。
政府は、全車指定席の新幹線や特急など全員着席可能な場合にはマスク着用は不要だとしているが、JR名古屋駅で取材に応じた40代女性は「車内で騒ぐならマスクは着けてほしい」と不安を訴えた。
コロナは現行の「2類相当」から5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられる。その段階でのさらなる感染対策緩和も見込まれるが、JR東日本の深沢祐二社長は「お客さまが不安に思わないような形でスムーズな移行を図る」と強調する。
小売業では、ファーストリテイリングが13日、ユニクロなど全国の傘下店舗で、買い物客へのマスク着用要請をやめ、検温器やレジ前にある客同士の間隔確保のための表示を撤去したことを明らかにした。ただ、従業員のマスク着用は続けるという。
主な百貨店やスーパー、外食各社も「安心してお買い物をしていただくため」(高島屋)などとして従業員のマスク着用は継続する。検温器や感染防止のアクリル板などの設置を続ける例も多い。
[時事通信社]
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