2023-03-06 19:54社会

強制不妊、国に賠償命令=5件目、「除斥期間」認めず―仙台地裁

 旧優生保護法に基づき不妊手術を強制されたとして、宮城県の70代と80代の男性2人が国に計6600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が6日、仙台地裁であった。高橋彩裁判長は旧法を違憲と判断し、国に計3300万円の支払いを命じた。
 強制不妊を巡る一連の訴訟で、国の賠償責任を認めた判決は5件目。一審では熊本、静岡両地裁に続き3件目となる。
 高橋裁判長は原告について「権利行使の前提となる情報や相談機会へのアクセスが現実的に困難だった」と指摘。「著しく正義、公平の理念に反する」として、不法行為から20年が経過すると損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」の適用を認めなかった。
 旧法に関しては「意思決定する自由を侵害し、特定の疾患を有する者に法的な差別的取り扱いをするものだ。違憲であることは明らか」と述べた。
 判決後に記者会見した原告側弁護団長の新里宏二弁護士は「戦後最大の人権侵害だと訴えてきた。その思いがやっと裁判所に届いた」と話した。 
 訴状などによると、70代男性は1967年、80代男性は52年、いずれも宮城県内で旧優生保護法に基づき不妊手術を受けた。
[時事通信社]

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