立民「子ども手当」で意趣返し=児童手当の制限撤廃論で―少子化対策、岸田首相守勢
与野党の本格論戦の舞台となる衆院予算委員会が30日、始まった。政府が最重要政策と位置付ける少子化対策や、防衛力の抜本的強化を巡り、立憲民主党の岡田克也幹事長が追及を強めたが、岸田文雄首相は具体性に欠く答弁を繰り返した。岡田氏は、旧民主党政権の看板政策だった「子ども手当」が当時野党の自民党の猛反対で撤回に追い込まれた過去を取り上げ「意趣返し」を展開した。
岡田氏は、自民党の茂木敏充幹事長が先の代表質問で児童手当の所得制限撤廃論を提起したことを受け、「子育ては一義的に家族が担う」としてきた過去の自民党見解を変更したのかをただした。首相は「社会も変化し、いろんな意見が出てきている」と釈明した。
旧民主党政権は、所得制限のない「子ども手当」を導入したが、当時の自民党から「バラマキ」批判を浴び、撤回に追い込まれた。岡田氏は旧民主党政権で副総理や幹事長などの要職を務めた。
岡田氏は「民主党政権では『社会全体で子ども・子育てを支援する社会を目指す』と言ってきた」と誇る一方で、「自民党は『そのイデオロギーは駄目だ。(子育ては)家庭中心だ』と激しく批判した」と指摘。首相に反省を求めた。
首相は「家族か社会かという二者択一の考え方は取らない」と守勢に立たされたが、反省は口にしなかった。
岡田氏は、茂木氏の提起に「首相も同じ考えなのか」と問うたが、首相は「一つの意見だ」と述べるにとどめ、温度差を見せた。首相周辺は茂木氏の発言は「官邸と事前打ち合わせはなかった」と認めた。
少子化対策に関し、自民党幹部は「自民党は子育ては家庭で行うという考え方だ」と従来の立場を維持した。首相が「家庭」重視の姿勢から転換したと受け取られれば、自民党を支持する保守層が離れるとの危惧がある。首相が態度を明確にしないのは、財源問題とともに、世論の動向を見極める思惑もありそうだ。
◇防衛、原発もかみ合わず
反撃能力(敵基地攻撃能力)保有、原発政策も論戦テーマとなった。岡田氏は、集団的自衛権として反撃能力を行使する場合の具体的な事例を示すよう求めた。首相は「手の内を明らかにすることになり、細かな説明まで行うことは控えなければならない」と拒んだ。
首相は原発を最大限活用する政府方針について、ウクライナ危機に伴う資源高騰を踏まえたエネルギー安定確保策だと強調した。これに対し、岡田氏はウクライナ問題と原発建て替えでは「時間軸が違う」と主張、議論はかみ合わなかった。
[時事通信社]
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