2023-01-28 21:38スポーツ

逆境はね返したサバレンカ=「もっと強くなる」―全豪テニス

 4度目のマッチポイントの場面。相手のフォアハンドがベースラインを割ると、サバレンカはコートにあおむけになり、両手で顔を覆った。2時間28分の熱戦を制した24歳は「最高の気分。こんなに幸せなことはない」と歓喜の涙を流した。
 劣勢から見事に盛り返した。第1セットはルバキナの鋭いサーブにてこずり、ミスも目立った。それでも、集中力を持ち直して第2セットに修正。フォア、バックともに安定感が増し、ラリーで主導権を握った。サーブも終わってみればエース17本、第1サーブの成功率も65%と相手を上回っていた。
 ロシアのウクライナ侵攻の影響で昨年のウィンブルドン選手権は出場が認められなかった。続く全米オープンでは「私は一人のアスリート。政治とは関係ない」と言い、悔しさをバネに4強入りした。今大会も国旗を背負えない立場での出場で、逆風が続く中、四大大会初の決勝で力を証明した。
 ダブルスで2021年の全豪を制した後、シングルスに集中して取り組んできた。以前は精神的な弱さを指摘されたこともあったが、コート内外での経験を積んだ今は何事にも動じない強さがある。新女王は「もっと強くなって、また来年ここでプレーしたい」と力強く語った。(メルボルン時事)
[時事通信社]

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