2023-01-28 15:10スポーツ

観客のロシア国旗が騒動に=ジョコビッチ父子巻き込む―全豪テニス

 【メルボルン時事】全豪オープンテニスの会場で、親ロシアの一部観客が同国国旗を掲げてノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)の父と一緒に納まった動画が拡散し、騒動となった。ジョコビッチ父子は、ロシアのウクライナ侵攻を支持する意図はないと強調し、沈静化に努めた。
 大会主催者はウクライナ紛争を受け、ロシアと同盟国ベラルーシの国旗掲揚を禁止し、公式の記録でも両国出身選手の国名を表示していない。
 ところが、25日にジョコビッチが出場した男子シングルス準々決勝後、ロシア軍のシンボル「Z」マークのTシャツを着て国旗を掲げた観客が、応援に来ていたジョコビッチの父スルジャンさんと記念撮影。その動画がSNSで拡散された。「ロシア支持の行動」という受け止めが広がり、駐豪ウクライナ大使が主催者にスルジャンさんの出入り禁止を求める騒ぎに発展した。
 ジョコビッチは27日、準決勝後の記者会見で、「父は私の勝利を祝い、どのファンにも分け隔てなく接している。私も家族も1990年代に(旧ユーゴスラビアの)戦争を経験し、いかなる暴力も支持していない」と説明。スルジャンさんも「混乱を起こす意図はなかった」との声明を出し、準決勝のスタンド観戦を見送った。
 29日に決勝に臨むジョコビッチは「とにかく選手もファンもテニスに集中できる環境になってほしい」。この件にコメントを求められた女子シングルス4強のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)は「私は選手。何でもコントロールできるように言われるが、それは無理だ」と不快感を示した。
[時事通信社]

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