物価高止まらず、40年ぶり伸び=12月は都内4.0%上昇―日銀、見通し引き上げへ

総務省が10日発表した2022年12月の東京都区部消費者物価指数(中旬速報値、20年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が103.9と、前年同月比4.0%上昇した。第2次石油危機の影響が残る1982年4月以来、40年8カ月ぶりの高い伸び。食料価格の高騰で物価高に歯止めがかからない状況で、日銀は物価見通しの引き上げを検討する。
東京都区部の指数は全国消費者物価指数の先行指標。市場では、20日に発表される昨年12月の全国の指数も41年ぶりに4%台に到達するとの見方が広がっている。
都区部で生鮮食品を除く総合指数が前年同月を上回るのは16カ月連続で、伸び率は11月(3.6%)から拡大した。特に生鮮食品を除く食料価格は7.5%と、76年8月(8.1%)以来、約46年ぶりの高さ。穀倉地帯であるウクライナへのロシア侵攻による原材料や飼料の価格高騰に、円安の進行が拍車を掛けており、食用油は32.5%、輸入牛肉が13.1%の高い伸びとなった。これらを使用する外食も6.9%上昇した。
エネルギー価格の高騰も続いており、電気代が26.0%、都市ガス代が36.9%上昇。生鮮食品やエネルギーを除く総合指数も2.7%(11月は2.4%)に伸び率を拡大した。
2月以降は政府による電気、都市ガスの価格抑制策の効果が顕在化し、エネルギー価格を中心に消費者物価指数の伸び率は一時鈍化するとみられる。ただ、「物価上昇が耐久財などに波及しており、インフレの『粘性』が高まりつつある」(山川哲史バークレイズ証券調査部長)と、物価の高止まりを指摘する声も強まっている。
食料品など原材料価格の上昇を転嫁する動きが想定以上に広がっていることを踏まえ、日銀は今月18日に公表する最新の景気予測「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で22~24年度の物価見通しを上方修正する見通し。春闘で賃上げの加速や広がりが確認されれば、日銀が目標とする安定的な物価上昇が視野に入ってくる可能性もある。
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