南部と東部で激戦=「クリスマス休戦」成立せず―ウクライナ
【パリ時事】ウクライナでは15日、南部と東部の前線で、激しい戦闘が続いた。ウクライナのゼレンスキー大統領が12日の先進7カ国(G7)首脳とのビデオ会合で提案した「クリスマス休戦」はロシアが拒否。民間人殺害とインフラ破壊が続き、電力供給は途絶え、厳しい年末年始に突入しようとしている。
AFP通信によると、11月にウクライナが奪還したばかりの南部ヘルソン州の州都ヘルソンに15日、ロシア側が激しい砲撃を加えた。ヘルソン州のヤヌシェビッチ知事は通信アプリを通じ、ヘルソン市中心部で15日、民間人2人が死亡し、電力供給が完全に停止したと明らかにした。同州では14日、ロシア軍の攻撃で8歳の少年を含む民間人3人が死亡している。
一方、東部では15日、ウクライナ軍が親ロシア派支配地に「過去数年で最も激しい砲撃」(ロイター通信)を加えた。親ロ派が掌握する東部ドネツク州の中心都市ドネツクのクレムジン「市長」は、早朝だけで40発のロケット弾が市中心部に着弾したと主張した。これに対し、ウクライナ側もドネツク州のキリレンコ知事が15日、通信アプリで、ロシア軍の攻撃により州内で民間人2人が死亡、4人が負傷したと訴えた。
南部では、ロシア軍が占拠中の南部ザポロジエ原発とドニエプル川を挟んで対岸に位置するニコポリに15日、砲撃があった。60歳代の男女2人が負傷し、家屋や電線が破損している。
ロイター通信によれば、ウクライナ軍高官は15日の記者会見で「ロシアは紛争を長期的な武力衝突に発展させようとしている」と非難。クリスマスや新年に合わせた「一時的な休戦」が実現する可能性を否定した。
ゼレンスキー氏のクリスマス休戦の提案については、ロシアのペスコフ大統領報道官が14日、「そのような提案は誰からも受けていない。議題になっていない」と語った。ゼレンスキー氏は14日夜の国民向けビデオ演説で「(戦争の)最前線に平穏はない」と指摘。「(ロシア軍が)目の前のものを全て破壊し、むき出しの廃虚と穴だらけの地面だけが残っている」と惨状を語った。
[時事通信社]
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