一貫して求めた主体性=選手に寄り添った監督―森保ジャパン、新しい景色(中)
周囲の声に耳を傾けながら最善を模索する。森保監督は選手の自主性に委ね、ボトムアップ式の指導を心掛けてきた。目指したのは「強豪相手にも自分たちの意思を持って主体的に戦えるチーム」。選手を導くのではなく、共に歩んできた。
1次リーグ突破を懸けたスペイン戦。監督は3―5―2の布陣を考えていたが、3―4―3で臨み強豪を撃破した。鎌田らがミーティングでシステム変更を提案し、主将の吉田が選手の総意として森保監督に進言した。自身を「マネジメント型」と語る指揮官が、対等な目線で意見を受け入れた。
指揮官は2020年11月の欧州遠征でメキシコに敗れた際、「選手たちが主体的にやることを、覚悟して見ていかなければならない」と言った。この試合では相手の布陣変更に対応できず完敗。打開策を提示できなかった采配が疑問視されたが、我慢強く成長を待った。
今回のメンバー26人のうち19人が初出場。1990年代中盤以降生まれが約半数を占める。世間一般的には強い上下関係に抵抗感がある世代とも言われる。「若い選手が自信を持ってプレーすれば、できるということを証明してくれた」。指揮官の願いは最後に届いた。
「選手を一人の人間として見てくれている」と浅野。気兼ねなく意見を言い合える環境をつくってきたからこそ、考える力が育まれた。欧州組が大半を占め、さまざまな背景を持つ選手と日常的に交流。多様な価値観を認め合う土壌もあった。
8強入りを懸けたクロアチアとのPK戦でもキッカーを指名することなく、選手の立候補を募った。敗れはしたが「勇気を持って自分が蹴るという、そのチャレンジをたたえたい」。選手の挑戦に対し、自身が責任を引き受ける覚悟を示してきた。その姿勢は最後まで変わらなかった。 (ドーハ時事)
[時事通信社]
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