2022-12-10 07:28スポーツ

500躍進の理由=スピードスケート高木、栄養士とタッグ―22スポーツ回顧(2)

 北京五輪のスピードスケート女子500メートル。高木美帆(日体大職)は銀メダルが決まった瞬間、思わず飛び上がった。よほどうれしかったのだろう。国際大会で優勝しても大げさに喜ばない彼女にしては、珍しい感情表現だった。
 2018年平昌五輪で金、銀、銅の三つのメダルを獲得し、翌年には1500メートルで世界記録を樹立。これほど実績を積み上げてきても、五輪で初めて出る500メートルの難しさは予想していた。中長距離とは全く異なる、スプリンター仕様の最終調整が必要だからだ。
 そして500メートルは出場したレースで唯一、夜の時間帯。高木は「特に困ったというか、大変だったのが、レース前後の食事を取るタイミング」。頼りにしたのが、管理栄養士の村野あずささんだった。平昌五輪の前年から、じっくりと信頼関係を育んできたパートナー。ここ一番の局面で的確なアドバイスを受け、「自分の中で、思考する分野を一つ減らすことができた」。これで不安なくレースを迎えられた。
 500メートルの2日後に団体追い抜きの準決勝と決勝の計2レース。さらにその2日後には最後の1000メートルも控えていた。「タイトなスケジュールになってきた時にも、心強かった」。疲労がピークに達するはずのラストレース、1000メートルで個人種目では初の金メダル。タッグでつかんだ悲願の頂点と言えた。
 村野さんから学んだ知識を生かし、自炊にも継続的に取り組んできた。「食はスポーツに直結する。苦しむことも多かったところで、(村野さんはともに)一生懸命考えていける方だった。この北京という舞台で最後まで一緒に戦うことができた」。北京ではメダル4個。希代のオールラウンダーは、支えてくれた伴走者に感謝した。 
[時事通信社]

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