500躍進の理由=スピードスケート高木、栄養士とタッグ―22スポーツ回顧(2)
北京五輪のスピードスケート女子500メートル。高木美帆(日体大職)は銀メダルが決まった瞬間、思わず飛び上がった。よほどうれしかったのだろう。国際大会で優勝しても大げさに喜ばない彼女にしては、珍しい感情表現だった。
2018年平昌五輪で金、銀、銅の三つのメダルを獲得し、翌年には1500メートルで世界記録を樹立。これほど実績を積み上げてきても、五輪で初めて出る500メートルの難しさは予想していた。中長距離とは全く異なる、スプリンター仕様の最終調整が必要だからだ。
そして500メートルは出場したレースで唯一、夜の時間帯。高木は「特に困ったというか、大変だったのが、レース前後の食事を取るタイミング」。頼りにしたのが、管理栄養士の村野あずささんだった。平昌五輪の前年から、じっくりと信頼関係を育んできたパートナー。ここ一番の局面で的確なアドバイスを受け、「自分の中で、思考する分野を一つ減らすことができた」。これで不安なくレースを迎えられた。
500メートルの2日後に団体追い抜きの準決勝と決勝の計2レース。さらにその2日後には最後の1000メートルも控えていた。「タイトなスケジュールになってきた時にも、心強かった」。疲労がピークに達するはずのラストレース、1000メートルで個人種目では初の金メダル。タッグでつかんだ悲願の頂点と言えた。
村野さんから学んだ知識を生かし、自炊にも継続的に取り組んできた。「食はスポーツに直結する。苦しむことも多かったところで、(村野さんはともに)一生懸命考えていける方だった。この北京という舞台で最後まで一緒に戦うことができた」。北京ではメダル4個。希代のオールラウンダーは、支えてくれた伴走者に感謝した。
[時事通信社]
最新動画
最新ニュース
-
SNS投稿、岡口判事に賠償命令=殺人事件の遺族提訴―東京地裁
-
宮台さん襲撃、新画像を公開=逃走男、事件前後に変装か―警視庁
-
行政院長に陳前副総統を指名=蔡氏、政権刷新を強調
-
出産・妊娠時の給付継続=岸田首相、対中韓改善に意欲―参院代表質問
-
松山、後半に失速=米男子ゴルフ
写真特集
-
【野球】「沢村栄治賞に輝いた投手」先発完投型のエース
-
【サッカー】リオネル・メッシ
-
【サッカーW杯】史上初の女性審判
-
【サッカー】サウジアラビア エルベ・ルナール監督
-
【サッカーW杯】サポーターのごみ拾い
-
【サッカーW杯】森保ジャパン・全試合
-
カタール初の地下鉄「ドーハメトロ」
-
【サッカーW杯】カタール2022・開会式