克服した「恐怖感」=ヤクルト村上、スランプ経て56号―22プロ野球回顧(1)
シーズン終盤。ヤクルトの村上は、驚異的なペースで本塁打を量産した。9月13日には2本塁打を放ち、王貞治(巨人)が持っていた日本選手最多の55号に到達。56号も時間の問題と思われたが、そこでスランプに陥った。
「打席に立つ恐怖感があった」。球界全体の期待を感じて、経験したことのない重圧が22歳の背中にのしかかった。打撃フォームが微妙に崩れ、思うように打球が上がらない。徹底的に内角を突かれ、内野ゴロに倒れる打席が増えた。
この苦境でさらに自分を追い込む選択をした。チームがリーグ連覇を決めた9月25日。記者会見で本塁打記録更新について聞かれると、「もっと、押しつぶすくらいプレッシャーをかけてもらいたい」。プロ入り以来、常に自分の弱点と向き合い、克服することで大成した大砲。生みの苦しみを味わいながら、「この期間もいい経験だと自分に言い聞かせていた」という。
10月3日、DeNA戦の七回。60打席ノーアーチで迎えた今季最後の打席だった。内角高めの初球を思い切りよく引っ張り、右翼席に待望のアーチを架けた。昨季から大きく改善した内角打ちが、土壇場で大きな助けとなった。
飛躍を遂げたシーズンだが、心残りもある。「50号あたりから、王さんに並べるくらい打てればいいかなという目標を立ててしまった。自分にもっと期待していれば、違う結果が生まれたかと思う」
来季は60本のプロ野球記録も打ち破るのか。将来、米大リーグでのプレーも思い描く。「自分自身、まだまだできると思っている」と闘志を胸に秘める。
[時事通信社]
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