2022-11-22 18:19

責任者「失敗以上に失敗」=月着陸断念の「オモテナシ」―JAXA

 月面着陸を断念した日本の小型探査機「OMOTENASHI(オモテナシ)」について、開発責任者の橋本樹明・宇宙航空研究開発機構(JAXA)教授らが22日、記者会見し、「着陸自体ができず残念。個人的には、失敗以上に失敗だったと思う」と述べた。
 JAXAは同日、対策チームを設置し、原因の究明やこれまで得られた知見の取りまとめを行うと発表した。 
 オモテナシは16日に米新型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」で打ち上げられたが、分離後の機体の回転速度が想定を超え、姿勢制御が難航。太陽電池を太陽に向けられず、必要な電力を確保できない状態が続き、通信が途絶していた。22日未明の月最接近までに必要な軌道修正ができず、JAXAは着陸を断念。今後は月から次第に遠ざかるという。
 JAXAは、太陽との位置関係が変わる来年春ごろには充電が可能になると予測。運用を継続し、探査機との通信が回復すれば、来夏ごろまでに搭載した小型ロケットの点火など将来の探査に向けた実験を行いたいとしている。
 SLSには、JAXAと東大などが開発し、月周辺への飛行技術を実証する小型探査機「エクレウス」も相乗り。エクレウスは順調に飛行を続けている。
[時事通信社]

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