EEZ内、意図的な緊張醸成=日米韓に反発、中国も意識―北朝鮮
【ソウル時事】北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられるミサイルを日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾させ、13日の日米韓首脳会談への反発を行動で示した。日米韓と2019年以来となる首脳会談を行った中国を意識し、意図的に緊張を高めた側面もありそうだ。
日米韓首脳は共同声明で、日韓に対する米国の拡大抑止の強化を明記。3カ国の安全保障協力の緊密化をアピールした。これに対し、北朝鮮の崔善姫外相は「米国が『拡大抑止強化』に執着し、軍事的活動を強化すればするほど、正比例してわれわれの軍事的対応は猛烈になる」と警告した。
北朝鮮は17日に韓国を念頭に短距離弾道ミサイルを発射。18日には米国が標的のICBMを日本のEEZ内に着弾させ、単なる言葉の脅しではなかったことを示した。
金正恩朝鮮労働党総書記は「国際関係の構図が『新冷戦』に変化した」と公言。米中、米ロの対立を踏まえ、中ロと連携して日米韓と対抗する戦略だ。韓国の専門家は「北朝鮮は今の冷戦的対立を深めるのが有利だと判断し、日米韓の安保協力拡大につながることが分かっていながら積極的な軍事的攻勢に出ている」と指摘する。
中国の習近平国家主席は今週、日米韓首脳とそれぞれ会談。北朝鮮問題では、中国の建設的役割を求める日米韓と緊張緩和を促す中国との温度差が目立った。朴元坤・梨花女子大教授は「(一連の会談で)中国が北朝鮮を支持するのを確認した上で、挑発のレベルを上げた」との見方を示した。
一方で、「北朝鮮は中国に全幅の信頼は置いていない」(外交筋)と言われる。米中の接近を望まない北朝鮮は、中国と日米韓の会談後、対立が緩和に向かうのかどうか神経をとがらせているとみられる。国連安全保障理事会で中国がこれまで通り北朝鮮を擁護するかを確かめようとしている可能性もある。
北朝鮮は、米韓の頻繁な合同訓練に対抗しなければ軍の士気が下がり、正恩氏の権威も傷つきかねない。18日の労働党機関紙「労働新聞」は社説で「今、われわれは(米国に立ち向かい)天下一の強国建設に前進している途上にある。さらに厳しい難関が待っているかもしれない」と奮起を促した。
[時事通信社]
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