2022-11-03 07:23経済/写真

米、4回連続0.75%利上げ=インフレ抑制重視を継続―FRB

米政策金利と消費者物価指数
米政策金利と消費者物価指数

 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は2日、連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.75%引き上げることを決めた。通常の3倍となる利上げ幅は4会合連続。高止まりするインフレを抑え込む強い姿勢を改めて示した。
 利上げは6会合連続。政策金利は年3.75~4.00%と、事実上のゼロだった今年3月から8カ月足らずで、2008年以来となる4%付近に達する。日米の金利差拡大を背景に、外国為替市場では円安・ドル高圧力が続くとみられる。
 決定は全会一致。FRBは会合後の声明で「インフレ率を2%に戻すため、十分に景気抑制的な金融政策スタンスにする」と強調、利上げ継続の方針を維持した。
 パウエルFRB議長は記者会見で、強い雇用情勢や高インフレを踏まえれば「前回9月の会合の想定よりも政策金利の最終的な水準は高くなる」と明言した。9月時点では、来年末までに年4.50~4.75%までの引き上げが予測されていた。
 一方、これまでの引き締めが経済全体やインフレに及ぼす効果をにらみつつ、早ければ次回12月の会合で利上げペースを緩める可能性を示唆した。 
 米国では、新型コロナウイルス危機後の需要急拡大に加え、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギーや食品の価格高騰を背景としたインフレに収まる兆しが見えない。急ピッチの金融引き締めにもかかわらず、FRBが重視する個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率は9月に前年同月比6.2%となり、目標の2%を大幅に上回った。
 既に住宅ローン金利は大きく上昇し、住宅市場の落ち込みが顕著だ。米経済をけん引する個人消費にも一時の勢いは見られない。利上げで景気にブレーキがかかり、失業増などの「痛み」が大きくなることへの懸念も広がっている。

 
◇FOMCとFRB議長会見のポイント
一、4会合連続で0.75%の大幅利上げ。政策金利は年3.75~4.00%に
一、インフレ率を2%に戻すため、十分に景気抑制的な金融政策スタンスにする
一、利上げ継続は適切
一、パウエル議長「前回9月の会合の想定よりも政策金利の最終的な水準は高くなる」
一、パウエル議長「利上げペース減速の時期は近づいており、早ければ(12月の)次回会合の可能性」

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