2022-10-07 23:22

心身充実の戦いぶり=阿部詩、不安なく進化―世界柔道

 阿部詩は心身とも充実した戦いぶりで、要所では五輪女王としての意地も見せた。実力者を倒して2大会ぶりの頂点に立っても表情は変えず、「精神的に強くなれた。この試合を通じてそれを感じた」と胸を張った。
 順当に勝ち上がった準決勝は、東京五輪決勝で下したブシャールとの再戦。延長戦に入って二つ目の指導をもらって追い込まれたが、直後に内股で技ありを奪って合わせ技一本勝ち。決勝は同五輪銅のジャイルズ。背中を持たれて内股を受けたがすかして技ありを奪い、そのまま逃げ切った。
 昨夏の東京五輪を制したが、内心では両肩の不安を隠しながら戦い続けてきた。組み手で引っ張られると「亜脱臼」の状態になり、数日間は練習できず、指先までしびれて眠れない夜もあった。昨秋に手術を受けて、復帰。「練習に集中できるようになって、自分の技や組み手に集中できる。五輪前よりパフォーマンスが上がった」。不安なく畳に上がれるのは高校3年の時以来だという。
 肉体、精神とも最高の状態を迎えつつある22歳は「一歩一歩、着実に進化している」。2024年パリ五輪への道筋はしっかりと描けている。(タシケント時事)
[時事通信社]

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