旧ソ連の人権活動にノーベル平和賞=ロシア、ウクライナ、ベラルーシ3個人・団体

【ロンドン時事】ノルウェー・ノーベル賞委員会は7日、今年のノーベル平和賞を、ベラルーシの人権活動家アレシ・ビャリャツキ氏(60)と、ロシアの人権団体「メモリアル」、ウクライナの人権団体「市民自由センター(CCL)」の旧ソ連3カ国1個人2団体に授与すると発表した。授賞理由として「市民の基本的人権の擁護と権力を批判する権利の促進」に努め、「平和と民主主義のための市民社会の重要性を示した」ことを挙げた。
旧ソ連構成国のロシアとベラルーシでは、プーチン、ルカシェンコ両大統領が強権体制を維持。市民の声を無視し、2月からのウクライナ侵攻では協力関係にある。ノーベル賞委は今回、戦争を生み出した「根源」を浮き彫りにし、市民一人ひとりが平和の担い手であることを訴えた形だ。
ビャリャツキ氏は人権団体「ビャスナ(春)」の創設者として知られ、現在も拘束中。メモリアルは旧ソ連末期に誕生し、スターリン時代の人権弾圧と向き合うことから活動を開始し、ロシアの「良心」として人権擁護の柱となってきた。CCLは2007年に創設され、ロシアによるウクライナ侵攻開始後、人権侵害の極みである「戦争犯罪」に対する調査活動が期待されている。
ノーベル賞委は21年、政権批判も辞さない報道を続けてきたロシアの独立系紙「ノーバヤ・ガゼータ」(休刊中)のドミトリー・ムラトフ編集長らに平和賞を授与した。今回の発表は「プーチン氏に向けたものでも、誕生日(10月7日)に合わせたものでもない」と説明されたが、プーチン政権に対する国際社会の厳しい目が背景にあるのは明らかだ。
賞金は1000万スウェーデンクローナ(約1億3000万円)。授賞式は12月10日にオスロで開かれる。


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