2022-09-30 23:06国際

ロシア、「併合」決定=プーチン氏、条約調印―ウクライナ東・南部4州

 ロシアのプーチン大統領は30日、ウクライナ東・南部4州の占領地のロシア併合を決め、クレムリン(大統領府)で演説後、親ロシア派と「編入条約」に調印した。ウクライナ侵攻開始から7カ月での「力による現状変更」で、ゼレンスキー政権をけん制。同様の試みは、2014年のウクライナ南部クリミア半島併合以来となる。編入条約は10月初めに上下両院で批准される見通しだ。
 プーチン氏は演説で、ウクライナで戦死した自国兵らを「英雄」とたたえ、黙とう。ゼレンスキー政権に対しては、戦闘の即時停止と交渉への復帰を呼び掛けた。さらに併合は決定的であり、領土交渉の対象にはならないと断言。核などを念頭に「あらゆる兵器で領土を守る」と欧米をけん制した。
 親ロ派は23~27日の「住民投票」で「約9割」が賛成したと主張し、プーチン氏も「民族自決権」に基づくと正当化した。ただ、国際社会はこれを自由・公正ではないと批判し、併合も国連憲章・国際法違反として認めていない。日本を含む先進7カ国(G7)が制裁を強化し、ロシアの孤立化が進むのは必至。だが、中国、インド両国との協力関係は維持されそうだ。
 プーチン氏は2月の侵攻前、東部のドネツク、ルガンスク両州の親ロ派の「独立」を承認。29日の大統領令で南部のヘルソン、ザポロジエ両州をいったん「独立」させた。東・南部4州とは「国と国」の建前で編入条約を締結。ただ、ドネツク州とザポロジエ州は全域を占領できておらず、軍事作戦は激しさを増す恐れがある。
 ロシア軍は9月に入って北東部ハリコフ州から撤退。欧米の兵器で反転攻勢に出るウクライナ軍を前に苦戦が続いている。プーチン氏は今回の住民投票に合わせ、21日に部分動員令を発出。東・南部4州をロシアの「歴史的領土」と強調しており、招集のための後付けの理由にしている側面がある。動員令でロシア社会は混乱し、9月の大統領支持率は侵攻開始後初めて8割を切った。 
[時事通信社]

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