2022-09-24 05:29スポーツ

勝敗超えた演武を=現役続行の清水希容―空手形

 8月下旬、東京都内の道場で空手女子形の清水希容(ミキハウス)が黙々と稽古に励んでいた。スピード感のある突きや蹴りを繰り返すが、どこか表情は晴れない。「しっくりきていないところがある。試行錯誤の段階」。東京五輪銀メダリストが、もがいていた。
 空手にとって最初で最後の五輪だったかもしれない東京の舞台で頂点を目指した。決勝でライバルのサンドラ・サンチェス(スペイン)に僅差で敗れ、「やってしまった。負けたら帰れない…」。そんな自責の念を癒やしたのは、周囲の反応だった。
 悔しさを感じながら見せた銀メダルに、誰もが感激してくれた。「そういう顔を見ると私もうれしかった。メダルを取って良かった、と初めて思えた」。指導者たちにも励まされ、一時は頭をよぎった「引退」の2文字を封印。再び世界一を目指す意志を固めた。
 五輪までは勝ち負けにこだわり過ぎた。そんな反省がある。「試合になると、ちょっと体の動きが鈍くなってしまうことがある。体の中心から技を強く出すことが課題」。稽古ではタイミングに細心の注意を払い、イメージする仮想の敵を圧倒する攻撃を意識する。
 勝敗を超越し、誰もが強さを認めるような演武を理想に掲げる。「もちろん優勝は目指すけど、自分自身が気持ち良く、全身で表現できるような形を打ちたい。だから現役を続行した」。来年の世界選手権で鍛錬の成果を示す覚悟を決めた。 
[時事通信社]

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