2022-09-22 18:51政治

自民、村上氏「国賊」発言に処分論=国葬出欠、立民も内輪もめ

 27日に国葬が行われる安倍晋三元首相を「国賊」と表現した自民党の村上誠一郎・元行政改革担当相に対し、同党内で安倍派所属議員を中心に厳しい処分を求める声が出始めた。一方、幹部が欠席を決めた立憲民主党内でも、野田佳彦元首相が出席すると発言して内部対立に発展。目前に迫った国葬を前に与野党が激しく揺れている。
 村上氏は安倍政権時代から安倍氏の政権運営を批判してきた数少ない一人で、現在は総務会メンバー。20日に国葬反対を表明し、「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と言及した。
 安倍派内では村上氏に対し「絶対に許さない」「除名だ」などと激怒する声が広がる。茂木派の閣僚経験者も「言い過ぎだ。内閣支持率も下がり厳しい中、党内の結束を乱すようなことは駄目だ」と顔をしかめた。
 安倍派幹部の萩生田光一政調会長と世耕弘成参院幹事長は21日、総務会メンバーの発言との理由で遠藤利明総務会長に事実確認と「けじめ」を要求。萩生田氏は茂木敏充幹事長とも意見交換した。
 党関係者によると、国賊発言は「党員の品位を汚す行為」に当たる可能性があるとして、幹事長権限で「党役職停止」処分とし、村上氏を総務会メンバーから外す案が浮上している。安倍派内には、より重い処分を求めて「党紀委員会で処分を検討すべきだ」(閣僚経験者)との意見もある。
 ただ、国葬前のタイミングで処分に踏み切れば党内の動きに関心が集まる可能性もあり、執行部は対応を国葬後に先送りする考えだ。ある党幹部は「騒がない方がいい。幹事長の口頭注意くらいが良い」と冷静な対応を促した。
 一方、立民内では野田氏が「元首相が元首相の葬儀に出ないのは私の人生観から外れる」として出席の意向を表明。これに原口一博元総務相が異論を唱え、「内輪もめ」の様相を呈した。
 泉健太代表は22日の記者会見で、執行役員以外の議員の出欠は個々の判断に委ねる考えを強調。「(弔意の在り方を)強制していない」と語り、事態の沈静化を図った。
 ◇石破、玄葉氏は出席
 自民党の石破茂元幹事長は22日付のブログに「安倍政権で幹事長や大臣としてお仕えした者として、当然参列し、静かにお見送りしたい」と記した。立民の玄葉光一郎元外相はフェイスブックで「国葬には反対だが、粛々と出席する」との考えを示した。 
[時事通信社]

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