2022-09-22 19:54経済/写真

日銀総裁「当面金利上げず」=決定会合、大規模緩和を維持―FRB追加利上げ、政策の違い鮮明

日米欧の中央銀行の政策金利推移
日米欧の中央銀行の政策金利推移

 日銀は22日の金融政策決定会合で、長短金利操作を柱とする大規模金融緩和の維持を決めた。黒田東彦総裁は決定会合終了後の記者会見で、「当面、金利を引き上げることはない」と述べ、緩和継続の方針を示した。インフレ抑制へ金融引き締めを続ける欧米主要国との金融政策の違いが一段と鮮明になっている。
 日銀は短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度で推移させる政策を据え置いた。2014年10月会合以来、約8年ぶりに全員一致での賛成となった。黒田総裁は、国内経済について「コロナ禍からの回復途上にある」と指摘。その上で、緩和継続の重要性を強調した。
 欧米勢は金融引き締めに動く。米連邦準備制度理事会(FRB)は21日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.75%引き上げることを決めた。3会合連続の大幅利上げで、景気よりもインフレ抑制を優先する姿勢を示した。スイスでは22日にマイナス金利解除が決定。欧州中央銀行(ECB)も既に解除しており、主要先進国でマイナス金利を適用するのは日本だけになる。 
 海外との金利差拡大を背景に加速する円安について、黒田総裁は「先行きの不確実性を高め、経済にはマイナス」との認識を示したものの、「一方的な動きで投機的な要因もある」と指摘。利上げの可能性は否定し、「政府とも緊密に連携しつつ、経済・物価への影響を十分に注視する」との考えを示した。
 足元で進む物価高をめぐっては、黒田氏は「コスト高が一巡し、来年度以降の消費者物価は2%を下回る」との見通しを示した。今月末に期限を迎える新型コロナウイルス感染拡大に対応した中小企業への資金繰り支援については来年3月末までに段階的に終了する。代わりに中小企業の幅広い資金需要を支援するため、金額無制限の資金供給策を決めた。
 総裁発言を受け、円相場は一時1ドル=145円台後半に急落。このため政府・日銀は約24年ぶりに円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った。

 

 ◇日銀決定会合・総裁会見のポイント
【金融政策決定会合】
一、大規模金融緩和策を維持
一、コロナ禍対応の中小企業支援策を段階終了
一、金額無制限の資金供給で中小企業を支援
【黒田東彦総裁記者会見】
一、当面金利の引き上げはない
一、円安進行、一方的な動きで投機的要因も
一、来年度以降の消費者物価は2%を下回る
一、日本経済はコロナ禍からの回復途上

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