2022-09-19 15:31政治

国連改革、核軍縮に照準=自負する外交で反転狙う―岸田首相

 岸田文雄首相は20日から米ニューヨークを訪れ、国連総会に出席する。日本の首相の対面形式での総会出席は3年ぶりで、一般討論演説などを通じて国連改革の必要性やライフワークとする核軍縮を訴える方針。安倍晋三元首相の国葬や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる対応で内閣支持率が下落傾向にある中、得意と自負する外交で政権浮揚のきっかけとする思惑がある。
 ロシアのウクライナ侵攻は、国連安全保障理事会の機能不全を露呈した。拒否権を持つ常任理事国の一角を当事国のロシアが占めているからだ。首相は14日の政府・与党連絡会議で「国連は試練の時を迎えている」と危機感を表明。一般討論演説では、拒否権の制限など安保理改革を提起する構えだ。
 ロシアの存在は、首相の核軍縮への取り組みにも影を落とす。首相は8月にニューヨークで開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議に駆け付け、核兵器不使用の継続を呼び掛けたが、ロシアの反対で文書採択に至らなかった。
 来年5月に地元広島市で開催する先進7カ国首脳会議(G7サミット)で成果を得たい首相。今回の訪米では、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准国による初の首脳級会合を主催する。広島サミットに向け、核軍縮への機運を再び高めたいとの狙いもある。
 首相は滞在中、各国首脳との会談をできるだけセットするよう外務省に指示。ウクライナ情勢に端を発する食料危機もあり、周辺は、国連演説やこうした2国間会談の場で「理想を語るだけではなく、具体的な案を示したい」と積極姿勢を見せる。調整が続くバイデン米大統領との日米首脳会談が実現すれば、台湾への軍事的圧力を強める中国を念頭に一層の連携を確認する見通しだ。
 「何をやっても焼け石に水」。自民党内からはこうした声も漏れる。国葬実施の判断や小出しの旧統一教会対応が裏目に出て、内閣支持率が続落しているためだ。首相は訪米を前に、周囲に「反転攻勢をかける」と意気込みを示していたが、台風14号への対応を優先するため出発を延期。日程短縮を余儀なくされ、首相の思惑通りとなるかは見通せない。 
[時事通信社]

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