2022-09-10 14:41国際

犯罪急増、選挙の焦点=首相「移民の社会統合失敗」―スウェーデン

 過去数年、スウェーデンは治安の悪化が著しい。薬物や銃器を扱う犯罪集団が乱立し、縄張り争いの抗争が拡大。銃や爆発物を使った凶悪犯罪が市民も巻き込んで白昼から起きるようになっている。11日投票の総選挙で、有権者が政府に対策を迫る最大のテーマとなった。
 2015年の欧州難民危機で、スウェーデンは最も積極的に移民を受け入れた国の一つだった。しかし「あまりに多い移民と、あまりに足りないスウェーデン社会への統合」(アンデション首相)の結果、治安の悪化という副作用が激しい。
 今年は9月初めまでの銃器による死者が50人近くに上り、既に昨年1年間の犠牲者数を上回った。犯罪の「根源」に対し「総攻撃」を行うとアンデション首相は宣言し、対策を急いでいる。
 出自が外国というスウェーデン市民は過去20年で倍増し、今や200万人と言われる。人口の5人に1人は「移民」という状態で、低賃金労働を支え、景気の調整弁にされている。
 スウェーデンでは4月、移民の集団と警官隊の激しい衝突が各地で発生し、闇夜に自動車が燃え上がる異様な光景が伝えられた。アンデション首相は「全く違う現実を生きている裏の社会が幾つもできてしまっている」と危機的状況を訴えた。
 この状況が、極右・民主党への支持拡大につながっている。民主党は1988年に結党されたが、過激思想が嫌われ、長く「同じ右派からものけ者扱い」(AFP通信)が続いた。国会に議席を持てる「得票率4%以上」の条件をようやく突破できたのは5.7%を得られた2010年の総選挙だった。
 そこから12年間で20%近い支持を得るまで成長した。15年に難民危機が起きたことが大きい。オーケソン党首は「イスラムこそは第2次大戦後、スウェーデンに突き付けられた最大の脅威だ」と訴えて着実に支持者を増やし、政権入りを狙っている。 
[時事通信社]

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