2022-08-09 14:04国際

原発攻撃に懸念広がる=チェルノブイリ級惨事も―ウクライナ

 【ワシントン時事】ウクライナ南東部にある欧州最大規模のザポロジエ原発に砲撃が相次いでいることをめぐり、チェルノブイリ原発事故級の惨事につながる懸念が強まっている。ウクライナのゼレンスキー大統領は8日夜の国民向け演説で「チェルノブイリ原発事故は1基の原子炉の爆発だった。ザポロジエ原発には6基ある」と警鐘を鳴らした。
 グテレス国連事務総長は8日の記者会見で「原発への攻撃は自殺行為だ」と懸念を表明し、国際調査団の受け入れを呼び掛けた。ウクライナとロシアは互いに攻撃の責任をめぐって非難合戦を続けている。
 ウクライナのシュミハリ首相はツイッターで「ロシアの砲撃は核テロと呼ばざるを得ない。大惨事を防ぐため、世界が今こそ団結しなければならない」と批判。国営原子力企業エネルゴアトムのコティン総裁は原発周辺地域の非武装地帯化を提案した。
 これに対し、ロシアのペスコフ大統領報道官はウクライナ軍による攻撃だと主張。さらに「欧州全域に破滅的な結果をもたらす非常に危険な行為」と非難した。
 一方、ウクライナの東部などでは激しい戦闘が続いた。ロイター通信によると、東部ドネツク州のキリレンコ知事は現地のテレビで「この地域の状況は緊迫している。前線全域で砲撃が絶えない」と語った。北東部ハリコフ州ではウクライナ軍が反撃に出ているもようだ。
 米国防総省は8日、ロシアによる2月24日のウクライナ侵攻開始以降、ロシア軍の死傷者が7万~8万人規模に上るとの推計を明らかにした。カール国防次官(政策担当)は「ロシア軍がプーチン大統領の開戦時の目標を何一つ達成できていないことを考えると、特筆すべきことだ」との見方を示した。ただ、ウクライナ軍にも大きな損失が出ているとし、「第2次世界大戦以来、欧州で最も激しい通常兵器による軍事衝突だ」と述べた。 
[時事通信社]

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