2022-08-09 11:37社会

核廃絶「未来守る唯一の道」=使用リスクに危機感―77回目、長崎原爆の日

 長崎は9日、77回目の原爆の日を迎えた。長崎市松山町の平和公園では「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。ロシアによるウクライナ侵攻で核兵器使用の懸念が高まったことを踏まえ、田上富久市長は平和宣言で核兵器廃絶への被爆地の強い思いを訴えた。
 式典は感染症対策として、コロナ禍前の半分以下となる約1700席にとどめて開催。米国や中国などの核保有国を含む過去最多83カ国の代表が参列した。ロシアとベラルーシは招待しなかった。
 田上市長は平和宣言で、原爆に遭って下半身不随となった被爆者のエピソードを通じ、「どんなことがあっても核兵器を使ってはならない」と強調。ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻で核使用を示唆したことを踏まえ、存在する限り使われるリスクがあることを指摘し、「核兵器をなくすことが地球と人類の未来を守るための唯一の現実的な道だ」と訴えた。
 核保有国に対しては、ウクライナをめぐる対立を乗り越え、核拡散防止条約(NPT)再検討会議で核軍縮の具体的プロセスを示すよう求めた。
 続いて、被爆者代表の宮田隆さん(82)が「平和への誓い」を読み上げ、岸田文雄首相があいさつした。岸田首相は「わが国はいかに細く、険しく、難しかろうとも『核兵器のない世界』への道のりを歩んでいく」と強調し、「長崎を最後の被爆地とし続けなければならない」と述べた。ただ、被爆者らが署名、批准を求める核兵器禁止条約には言及しなかった。
 式典では、7月末までの1年間に新たに判明した原爆死没者3160人の名簿を奉安。原爆投下時刻の午前11時2分に合わせて1分間黙とうした。死没者数は19万2310人となった。 
[時事通信社]

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