2022-08-04 21:37政治

対話機運の後退、不可避に=外相会談、中国キャンセル

 4日予定されていたカンボジアでの日中外相会談を中国側が突如キャンセルした。台湾問題を「核心的利益」と位置付ける中国が、米国などと連携する日本の姿勢に反発したものだ。米中対立が先鋭化する中、日中対話の機運が後退するのは避けられない情勢だ。
 関係者によると、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議に合わせた林芳正外相と王毅国務委員兼外相による会談は、中国が前向きだった。外務省幹部は「『なぜだ』という思いはあるが、すがりついてやるようなものでもない」と語った。
 松野博一官房長官は4日の記者会見で、ペロシ米下院議長訪台に反発して中国が予告した軍事演習が、日本の安全保障に影響し得るとして「重大な懸念」を表明。先進7カ国(G7)としても3日、中国の軍事威嚇を批判する外相声明を発表した。中国外務省の華春瑩報道局長は会談見送りを発表した会見で、これに強い不満を示した。
 中国軍は予告通り、台湾周辺海域に複数の弾道ミサイルを発射。日本の排他的経済水域(EEZ)にも5発が落下した。1995~96年の台湾海峡危機では、海軍力で圧倒的に有利だった米国が空母2隻を派遣。中国はミサイル発射実験を自制せざるを得ず事態は収束した。だが、防衛省幹部は今回は本気とみる。「前と同じではないという意志を示すため、(予告した)4日間撃ち続けるだろう」と予測する。
 自衛隊幹部は「(情勢は)緊迫している。偶発的な事故が(米中の)衝突の発端になる可能性もゼロではない」と懸念。全日本空輸と日本航空が台北や東南アジアに向かう便について迂回(うかい)ルートを設定するなど、国民生活への影響も出始めた。
 岸田文雄首相は5日、訪台したばかりのペロシ氏と首相公邸で会談する予定で、台湾問題での連携を確認するとみられる。日中国交正常化50周年を9月に控え、首相は日中関係で難しいかじ取りが続く。 
[時事通信社]

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