2022-07-26 14:15World eye

美容整形にも制裁の影響、ボトックスや豊胸バッグが品薄 ロシア

【モスクワAFP=時事】ロシア人女性は、美容のこととなるとちょっとした美容整形手術にも金を惜しまない。(ロシア国旗の描かれた豊胸バッグ。ロシア・モスクワで)
 だが、ロシアのウクライナ侵攻による西側諸国の経済制裁により、米国やドイツからの輸入に頼っていたボトックスや豊胸バッグなどが手に入りにくくなっている。
 アナスタシア・エルマコワさん(37)が、顔のしわを取るためにボトックス注射を受けたのは2月が最後だった。「担当医はまだボトックスの在庫があるから安心するよう言うが心配だ」と話した。国産の類似品は質が良くないという。
 国際美容外科学会(ISAPS)によると、ロシアは世界で9番目に美容整形外科手術の件数が多く、2020年は62万1600件に上った。
 ロシアのコンサルタント企業アミコは、国内美容医療市場は2021年には9億6900万ドル(約1340億円)規模だったとしている。
 ボトックスを製造する米製薬会社アッヴィは、ウクライナ開始直後、大きな市場となっていたロシアから撤退した。
 ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで美容クリニック「グランドメド」を経営するオクサーナ・ウラソワ氏は「3月には患者や医師、サプライヤーがパニックになった」と話した。「需要が爆発的に伸び、ボトックスの在庫が見る見るうちに減っていった」
 ロシアの医薬品市場を分析するRNCファーマのニコライ・ベスパロフ氏によると、4~5月のボトックスの輸入はゼロだった。夏の終わり頃には供給が再開すると期待している。
 欧米製の充填(じゅうてん)剤(フィラー)も在庫が尽き始めている。ロシアで人気の高い、唇をふっくらさせるのに使われる注射用のヒアルロン酸が特に少なくなっている。
 グランドメドのウラソワ氏は、アッヴィ製フィラーとは「お別れせざるを得なかった」と話す。欧州メーカーの代替品が入ることを期待している。

■愛国豊胸バッグ
 豊胸バッグも品薄になっている。ロシアに製造企業はなく、国内で使われる豊胸バッグは全て輸入品だ。業界団体は、60%が米国、13%がドイツからの輸入だったと推定している。
 豊胸バッグは経済制裁の対象になってはいない。だが、輸送網の乱れなどの影響で供給が滞っており、美容整形だけでなく、乳房再建手術にも影響が出ている。
 美容整形外科医のエフゲニー・ドブレイキン氏はAFPに対し、豊胸バッグの価格は3月に一時3倍にまで高騰したが、現在は侵攻開始以前の価格から20%増の水準に落ち着いていると指摘した。
 患者団体の代表アレクサンドル・サベルスキー氏は、安価だが安全性に懸念がある製品が近いうちに出回るのではと危惧している。豊胸バッグをめぐっては、フランス製の粗悪品が流通し、回収騒ぎになったことがある。
 インフレや将来への不安から支出を控える人も増えている。ウラソワ氏はすでに顧客が減っていると話す。
 一方、ドブレイキン氏は愛国的な製品で新規顧客の獲得を目指している。
 同氏は5月末、「ロスグルド(ロシアの胸)」を考案した。通常は透明な豊胸バッグにロシア国旗や迷彩模様を描いた物で、製品化してくれる外国企業を探しているという。
 28歳の顧客はぜひ利用したいと話す。「祖国を守る私なりの方法になる」
 ドブレイキン氏は「愛国者豊胸バッグに反対する人は、おそらく反ロシアなのではないか」と述べた。【翻訳編集AFPBBNews】

最新動画

最新ニュース

写真特集