2022-07-21 22:35経済/写真

欧州中銀、11年ぶり利上げ=0.5%、物価高に歯止め―マイナス金利も解消

欧州の政策金利とユーロ圏消費者物価の推移
欧州の政策金利とユーロ圏消費者物価の推移

 【フランクフルト時事】欧州中央銀行(ECB)は21日、金融政策を議論する定例理事会を開き、政策金利を0.5%引き上げることを決めた。利上げは2011年7月以来11年ぶり。通常の2倍となる大幅な利上げを行うことで、想定を上回る物価高騰に歯止めをかける。主要国・地域の中央銀行では米国や英国、カナダに続いて金融引き締めにかじを切った。
 日銀は同日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策を維持した。外国為替市場で円安・ドル高が加速する中、日欧の金利差が広がることで、円は対ユーロでも下落圧力が強まる。
 金融機関がECBに資金を預ける際に適用する中銀預入金利を現行のマイナス0.5%から0%に引き上げる。14年6月に導入したマイナス金利政策を約8年で終えることになる。0.5%の利上げ幅は2000年6月以来ほぼ22年ぶりの大きさとなる。 
 ラガルドECB総裁は6月、今回の利上げ幅は0・25%との見通しを表明していた。総裁は理事会後の記者会見で、大幅利上げの理由について「インフレリスクを評価した結果だ」と述べ、一段と物価が上昇していることを挙げた。追加利上げについては「データ次第だ」と説明した。
 ユーロ圏ではロシアによるウクライナ侵攻の影響でエネルギーや食料が値上がりし、6月の消費者物価指数は前年同月比8.6%の上昇と、伸びは過去最大を更新した。ECBが目標とする2%を大幅に超過した状態で、インフレの抑制が急務となっている。
 一方、ユーロ圏はロシアからの天然ガスの供給減などを背景に、景気後退に陥るリスクが指摘される。積極的に金融を引き締めれば、景気を一段と冷やすことになるため、難しいかじ取りを迫られる。

 

 ◇ECBの金融政策をめぐる動き
2014年 6月 主要中銀で初のマイナス金利導入(マイナス0.1%)
      9月 追加利下げ(マイナス0.2%)
  15年 1月 量的緩和導入を決定
      3月 量的緩和開始(月600億ユーロ)
     12月 追加利下げ(マイナス0.3%)
  16年 3月 追加利下げ(マイナス0.4%)
      4月 量的緩和拡大(月800億ユーロ)
  17年 4月 量的緩和縮小(月600億ユーロ)
  18年 1月 量的緩和縮小(月300億ユーロ)
     10月 量的緩和縮小(月150億ユーロ)
     12月 量的緩和、終了
  19年 9月 追加利下げ(マイナス0.5%)
     11月 量的緩和、再開
  20年 3月 新型コロナ対策の資産購入策開始(総額7500億ユーロ)
      6月 コロナ対策規模拡大(総額1兆3500億ユーロ)
     12月 コロナ対策規模拡大(総額1兆8500億ユーロ)
  22年 3月 コロナ対策の資産購入策終了
      6月 量的緩和の終了決定
(注)金利水準は中銀預入金利、量的緩和の規模は資産購入額

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