2022-07-11 19:40経済/写真

景気判断、7地域で上方修正=コロナ禍の影響緩和―日銀報告

日銀地域経済報告の景気判断
日銀地域経済報告の景気判断

 日銀は11日、夏の支店長会議を開き、全国を9地域に分けて景気動向を分析した「地域経済報告(さくらリポート)」をまとめた。新型コロナウイルス禍の影響が和らいだことを受け、東北など7地域の景気判断を上方修正した。関東甲信越と東海の2地域は、判断を据え置いた。今後は資源高や円安によるコスト増を企業が克服できるかどうかが景気回復のカギを握りそうだ。
 個人消費は全9地域で判断が引き上げられた。コロナ対策の「まん延防止等重点措置」が3月下旬に全面解除され、飲食や旅行関連などが全国的に持ち直した。
 生産は、中国のロックダウン(都市封鎖)に伴う部品不足や物流の混乱が響き、関東甲信越や近畿など4地域で判断を引き下げた。東北は今年3月の福島県沖地震の影響が収まり、引き上げた。
 黒田東彦総裁は会議で、国内経済のリスク要因について「感染症やウクライナ情勢、資源価格など不確実性は極めて高い」と指摘。その上で、「金融・為替市場の動向や、経済・物価への影響を十分注視する必要がある」と述べ、状況次第で追加の金融緩和を辞さない姿勢も強調した。 
 今回の報告では、原材料高や急激な円安進行に対する企業の声が数多く紹介された。円安による輸出面のプラス効果を指摘した汎用(はんよう)機械メーカーは、同時に「仕入れコストの大幅増加で採算が悪化している」と訴えた。
 コスト増を吸収するため、食料品などの値上げが相次いでいるが、「値上げ後にやや客離れが生じ、一部値上げ幅を縮小し、低価格商品の構成を増やした」(小売り)と、消費者の節約意識の強まりに苦悩する声も聞かれた。
 会議後に記者会見した高口博英大阪支店長は、企業の価格転嫁が十分に進まない場合には、「設備投資や賃上げの抑制要因となる可能性がある」との見方を示した。

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