「アメリカン・ウーマン」のロックスター、46年の時を経て盗まれたギターと再会
【東京AFP=時事】盗まれたギターを半世紀近く捜し求めていたカナダのロックスター、ランディ・バックマンさん(78)。一人のファンが日本にそのギターがあることを突き止め、ついに再会を果たした。≪写真は東京のカナダ大使館で行われたコンサートで、ギターを交換するランディ・バックマンさん<右>とTAKESHIさん≫
バンド「ゲス・フー」で「アメリカン・ウーマン」を手掛けたバックマンさんは、大切にしていたオレンジ色のグレッチをトロントのホテルで紛失。46年後、そのギターを東京で手にした。
1日、カナダ大使館でのスペシャルコンサート前に、ステージでそのギターを抱え、チューニングしながら、バックマンさんは「すごい!」と声を上げた。
バックマンさんはAFPに対し、そのギターが盗難に遭い「打ちひしがれていた」と語った。
「そのギターで、ミリオンセラーをたくさん書いたんだ。魔法のギターだった。それが突然なくなると、魔法はなくなってしまうんだ」
1960年代初頭、10代のバックマンさんは芝刈りや洗車、ベビーシッターなどでこつこつためた400ドルで、今ではビンテージとなった6120チェット・アトキンス・モデルを購入した。
バックマンさんは長い間この楽器に憧れ、友人でミュージシャン仲間のニール・ヤングさんと一緒にショーウインドーに飾られたそのギターを何時間も見つめていたという。
バックマンさんはそのギターをなくさないよう、ツアー中もホテルのトイレにチェーンでつないでおいたという。「バンドの皆にはばかにされたけれど、やっとの思いで手に入れたギターだから、盗まれたくなかったんだ」
しかし1976年、バンドがチェックアウトする間ギターを預かったスタッフが、他の荷物と一緒に一室にしまったところ、いつの間にかなくなっていたという。
バックマンさんは何十年にもわたって、木目の中に小さな黒い節があるグレッチを捜し回ったが、良い知らせはなかった。ところが2020年、彼のファンだというウィリアム・ロングさん(58)が自宅のカナダから捜索に協力することを決意した。
ロングさんは、東京のギターショップのウェブサイトで、この特徴を持ったギターを発見。さらに検索すると、バックマンさんのギターを弾いている動画が、ユーチューブで見つかった。
ビンテージのグレッチがずっと欲しかったというミュージシャンのTAKESHIさんは、2014年にそのギターを約85万円で購入したという。
ロングさんからその「発見」を聞いたバックマンさんは、TAKESHIさんと東京で会う約束をし、1957年製の同型のギターと交換することで、彼のギターを譲り受けることになった。
「カナダ・デー」に行われたイベントで、2人は大きなハグをした後、一緒にセッションをし、1970年のヒット曲「アメリカン・ウーマン」を演奏した。
40年以上もの間、このギターを捜し続け、もう見つからないと諦めていたバックマンさんは、ロングさんの「無私無欲な親切心」に感動したという。
「このギターを弾いている時、ふと見ると、時間が止まっているような、あるいは50年という時間があっという間に過ぎているような気がしたんだ」とバックマンさんは言う。
「こんな脚本なんて書けないよ。誰も信じない。でも、本当なんだ。本当にすばらしい出来事なんだ」【翻訳編集AFPBBNews】
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