2022-06-28 20:43政治/写真

最低賃金の議論開始=物価高騰で「上げ幅」焦点―厚労省審議会

最低賃金と引き上げ率の推移
最低賃金と引き上げ率の推移

 厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会は28日、2022年度の最低賃金引き上げの「目安」策定に向けた議論を始めた。物価高騰が続く中、上げ幅が焦点となる。労働者側が賃上げを求める一方、経営側には慎重論もあり、昨年度と同様、過去最大規模の引き上げとなるか注目される。7月下旬にも議論を取りまとめる予定。
 最低賃金は雇い主が労働者に支払わなければならない最低限の時給で、毎年夏に労使の代表と中立的な立場の公益委員による中央最低賃金審議会が引き上げ額の「目安」を提示。これを参考に各都道府県の審議会が具体的な額を決定し、10月ごろから適用される。
 21年度の最低賃金は全国加重平均で時給930円。政府の意向を反映し、過去最大となる全国一律28円増で決着した。上昇率はコロナ禍前と同水準の3.1%だった。
 今年度は4月の実質賃金が前年同月比1.7%減となるなど、物価高騰に賃金上昇が追いつかず、人々の暮らしを直撃している。後藤茂之厚労相は28日の審議会で「早期の全国加重平均1000円の実現に向けて引き上げを図る」と強調した。
 労働者側も物価高などを念頭に「誰もが時給1000円」(連合の芳野友子会長)になるよう賃上げを要請。これに対し、昨年度「現行水準の維持」を訴えた日本商工会議所は、企業収益の改善に加え「物価が上がっており、(昨年とは)状況が変わった」(三村明夫会頭)との考えを示した。
 ただ、経営側は大幅な引き上げには依然慎重だ。原材料価格の高騰で企業の負担感が増しているほか、コロナで打撃を受けた一部業種では厳しい状況が続く。最低賃金引き上げによる人件費増は中小企業などにも重くのしかかるだけに、議論は難航も予想される。 

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