2022-06-28 23:58政治

ロシア産石油に価格上限=侵攻停止へ中国に圧力要求―G7首脳声明、サミット閉幕

 【エルマウ(ドイツ)時事】先進7カ国首脳会議(G7サミット)は28日午後(日本時間同日夜)、首脳声明を採択して閉幕した。声明はロシアのウクライナ侵攻をめぐり「プーチン政権に厳しい経済的損失を課し続ける」と宣言。ロシア産石油の取引価格に上限を設定する新たな制裁を検討する方針を示した。同時に、対ロ非難を控える中国を名指しし、「侵略停止に向けてロシアに圧力をかけるよう要求する」と記した。
 岸田文雄首相は閉幕後、ミュンヘンで記者会見し、石油価格の上限設定について「ロシアの石油販売収入を減らす取り組みだ。日本の国益を守りつつ、各国と緊密に連携していく」と表明。「現在のウクライナは将来のアジアかもしれない」と指摘し、G7首脳で力による一方的な現状変更の試みは認められない、との原則を確認したと説明した。
 ドイツのショルツ首相は議長総括会見を行い、「われわれはウクライナ支援で団結している」と語った。
 G7首脳は声明で、ロシアが核兵器の使用を示唆していることを非難。「ロシアが化学・生物・核兵器を使えば、手厳しい結果をもたらす」と警告した。
 また、中国の覇権主義的な動きに触れ、「東・南シナ海の状況を深刻に懸念する」と明記。「台湾問題の平和的な解決を促す。国際法上の義務を順守し、国際社会の安全に貢献するよう中国に要求する」と訴えた。
 さらに、中国を念頭に「世界的なサプライチェーン(供給網)からあらゆる強制労働(に基づく製品)を排除すべく取り組む」と表明。中国の経済圏構想「一帯一路」に対抗し、「質の高いインフラ」に5年間で6000億ドル(約82兆円)を共同で投資する方針も盛り込んだ。
 ウクライナ侵攻に伴う世界的な食料危機については「ロシアの侵略で悪化した」と指弾。「世界的な食料安全保障を増進し、最も影響を受けやすい人々を守る努力を惜しまない」として、45億ドル(約6100億円)の追加拠出を打ち出した。
 北朝鮮問題に関しては「度重なる違法な弾道ミサイルの試射を強く非難する。大量破壊兵器や弾道ミサイルを完全、検証可能、不可逆的に放棄することを求める」と強調。気候変動をめぐり、共通の対策に取り組む有志国連合「気候クラブ」の年内設置を目指す意向を示した。
 G7サミットはドイツ南部エルマウで3日間の日程で開催され、ウクライナのゼレンスキー大統領も2日目にオンラインで参加した。来年のG7サミットは日本が議長国を務め、被爆地・広島で開かれる。 
[時事通信社]

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