2022-06-24 18:58政治/写真

経済好循環へ、賃上げ競う=物価高の負担軽減―参院選【公約比較】

春闘の賃上げ率
春闘の賃上げ率

 長期にわたって低迷する日本の賃金水準を底上げするため、与野党は参院選公約で最低賃金の大幅引き上げや税制措置など、さまざまな施策を打ち出した。資源価格の高騰や円安による物価高が国民生活に重くのしかかる中、持続的な賃金上昇で所得を向上させ、消費拡大につなげる「経済の好循環」をどう実現するのか論争を繰り広げている。
 ◇25年ぶり賃金増
 賃上げは、岸田文雄首相の看板政策「新しい資本主義」で目指す「人への投資」の最重要施策の一つ。自民党は公約に「25年ぶりの本格的な賃金増時代を創る」と掲げ、バブル経済崩壊後の低迷から抜け出す意志を示した。具体策として、賃上げ促進税制や補助金の拡充で中小企業の賃上げを後押しするほか、同一労働同一賃金や男女間の賃金格差解消も進める方針を並べた。
 公明党は最低賃金の引き上げに重点を置き、現在の全国平均930円から、「2020年代前半には1000円超」を目指すと主張する。学者やエコノミストらによる中立的な第三者委員会を設置し、客観的なデータに基づいて賃上げ水準を決める仕組みづくりも挙げた。
 ◇最低賃金1500円
 野党は、岸田政権が発足当初に比べて「分配」のトーンが後退したと批判する。最低賃金については立憲民主党と共産党、社民党、れいわ新選組が1500円への引き上げを訴える。立憲民主は「賃上げ政策を総合的に展開し、消費を起点とした経済活性化を実現する」と強調。さらに、正社員を増やした中小企業には社会保険料負担を軽減する案を提示した。
 20年度末までに企業が積み上げた内部留保は484兆円に上る。共産党は、大企業の内部留保に課税し、「10兆円の税収を最低賃金1500円へ引き上げるための中小企業支援に充てる」(志位和夫委員長)と訴える。
 ◇持続がカギ
 連合による22年春闘労使交渉の集計(5月31日時点)によると、ベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた平均賃上げ率は2.09%。企業に賃上げを促してきた岸田首相は「過去20年間で2番目に高い引き上げ率」と成果を強調する。ただ、物価上昇の勢いに賃金上昇が追い付かず、4月の実質賃金は前年同月比1.7%減となった。
 物価高の負担を軽減するためにも、持続的に賃上げできる環境整備は欠かせない。自民党の目玉政策は、3年間で4000億円規模の施策パッケージで、職業訓練などで働き手の能力を高めて、賃金水準全体の底上げにつなげる狙いだ。
 国民民主党は積極財政と金融緩和で消費や投資を活性化し、「給料が上がる経済」を実現すると表明した。日本維新の会は、生活に必要な最低限の現金を全国民に一律支給する「ベーシックインカム」の導入を提唱。「勤労意欲の向上と雇用の流動化を図り、労働市場全体の生産性と賃金水準の向上を実現する」と強調した。NHK党は減税による家計の負担軽減を唱えている。 

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