法令順守の不全「異常な状況」=社長宛てメールに関連情報―相場操縦でSMBC日興調査委

SMBC日興証券は24日、元幹部らの相場操縦事件に関する調査委員会の報告書を公表した。問題となった自社による大量の株式買い注文について「不公正な行為」と認定。社内全般で規範意識が薄く、法令順守の機能不全は「異常な状況で、看過できない」と批判した。
報告書を受けて記者会見した同社の近藤雄一郎社長は「指摘を真摯(しんし)に受け止め、抜本的に改善を進める」と強調。一方、自身の責任については「報告書を精読し、厳正に対処する」と述べるにとどめた。
調査委は外部弁護士で構成。報告書は、近藤社長宛て電子メールの添付文書に問題の取引に関する記載があったと明らかにした。近藤氏は記載について「(内容が)分かっていれば、止めていた」と述べ、認識していなかったとした。
メールは社員の報酬体系に関して副社長が送付。添付文書の一部に「ブロックオファーで値崩れした時に自己ポジションで価格をサポート」との記載があった。
報告書は、取引時間外に大株主から株を買い取り投資家に転売する「ブロックオファー取引」の対象銘柄を自社の資金で買い支えた理由について「株価の大幅下落を回避する意図があった」と指摘。同取引に関連した自己売買を禁じるルールや発注を制限するシステムが同社になく、現場や経営陣ともに規範意識が薄かったと分析した。
審査部門の人材不足や意欲の乏しさにも言及。「利益を追求するあまり、法令を都合よく解釈する姿勢がうかがえる」と断じた。
事件では、自社の資金で不正に株価を買い支えたとして、元副社長執行役員ら6人と法人としての同社が金融商品取引法違反罪で起訴された。
◇SMBC日興証券報告書のポイント
一、自社資金でのブロックオファー取引銘柄大量買い注文は不公正な行為
一、買い支えの意図は株価大幅下落の回避
一、社長宛て電子メール添付文書に「値崩れ時に自己ポジションで価格をサポート」の記載
一、規範意識が社内全般で希薄。利益追求のあまり法令を都合よく解釈する姿勢あり
一、法令順守の機能不全は「異常な状況」
一、監視部門は人材不足、意欲に乏しさ
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