2022-05-27 17:21国際

北朝鮮制裁決議案を否決=国連安保理、中ロが初の拒否権―機能不全露呈、総会説明へ

 【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会(15カ国)は26日、公式会合を開き、北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け対北朝鮮制裁を強化する米国主導の決議案を採決したが、常任理事国の中国とロシアが拒否権を行使して否決された。北朝鮮への制裁決議案に拒否権が使われ、廃案に追い込まれたのは初めて。国連総会(193カ国)は近く、中ロに説明を求める会合を開く。先月採択した総会決議に基づくもので、初の適用事例となる。
 中ロを除く13理事国は決議案に賛成した。安保理は北朝鮮が1回目の核実験を行った2006年以降、対北朝鮮制裁決議を10回採択。いずれも全会一致だった。ウクライナ情勢で米欧と中ロの対立が激化する中、安保理の機能不全が改めて露呈した。
 国連総会での中ロによる説明は任意だが、加盟各国が演説する見通しで、北朝鮮の核・ミサイル開発に強い反対のメッセージを示せるかが焦点となる。石兼公博国連大使は「各国にはしっかりと立場を表明してほしい」と語った。
 中国の張軍国連大使は「追加制裁は弊害と対立の激化を招くだけだ」と反対理由を説明。北朝鮮国内の新型コロナウイルス流行に触れ、市民に苦痛をもたらすと主張した。ロシアのネベンジャ国連大使も「新たな制裁の導入は袋小路に続く道だ」と強調。中ロとも制裁強化は問題解決に役立たないという従来の考えを示した。
 トーマスグリーンフィールド米国連大使は、北朝鮮が今年に入りICBM発射を繰り返し「核実験の準備も積極的に行っている」と警告。「安保理が行動しないことが(北朝鮮の活動を)可能にしている」と採決直前まで支持を呼び掛けたが、中ロの翻意はかなわなかった。 
[時事通信社]

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