2022-05-25 23:31社会

在外投票不可は「違憲」=国民審査法めぐり初判断―国会の不作為、賠償命じる・最高裁大法廷

 海外在住の邦人が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは憲法違反かどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は25日、「投票を全く認めていない国民審査法は違憲」との初判断を示した。国会が投票を可能にする立法措置を長期に怠った不作為も違法と認め、賠償を命じた。
 裁判官15人全員一致の意見。法改正は不可避で、金子恭之総務相は「在外投票を可能とする方策を早急に検討する」との談話を発表した。
 最高裁が法律を違憲と判断したのは、民法の再婚禁止期間をめぐる2015年の判決に次いで戦後11例目。このうち立法不作為に基づく賠償を認めたのは、在外選挙権をめぐる05年の判決以来、2例目となった。
 ブラジル在住の平野司さんら5人が、17年衆院選時に行われた国民審査に在外投票できず、翌18年に提訴。平野さん以外は既に帰国している。
 判決は国民審査権について、選挙権と同様に憲法で平等に保障されているとし、「権利行使の制限は原則許されない」と指摘。国は投票用紙の作成や送付に時間がかかり困難だと主張したが、「現行と異なる方法を採る余地がないとは言い難い」と退けた。
 その上で「在外国民の審査権行使を可能とする立法措置が取られなかったことに、やむを得ない理由があったとは言えない」と指摘。投票を認めていない国民審査法は違憲と判断した。
 06年に国政選挙の選挙区でも在外投票を可能とする改正公選法が、前年の最高裁違憲判決を受けて成立したことに言及。国会が在外審査を検討する機会はあったとし、「立法措置が必要不可欠なことが明白だったのに17年まで約10年も怠った」とし、原告1人当たり5000円の賠償を命じた。
 平野さんは、次回も投票できなければ違法になることの確認も求めていた。判決は「審査権は選挙権と同様、権利行使できなければ意味がない」として訴えを認めた。 
[時事通信社]

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