2022-05-25 17:17政治/写真

都内死者、最大6100人=建物被害は19.4万棟―12年想定比3~4割減・首都直下地震

都心南部直下地震の被害想定(全壊)
都心南部直下地震の被害想定(全壊)

 東京都は25日、防災会議(会長・小池百合子知事)を開き、首都直下地震などによる被害想定を10年ぶりに見直し、公表した。都心南部でマグニチュード(M)7.3の直下型地震が発生した場合、都内の死者は最大で約6100人、揺れや火災による建物被害は約19万4400棟に上ると推計した。住宅の耐震化や不燃化の対策が進展し、2012年に公表した従来想定と比べ、被害を3~4割軽減できると見込んだ。
 小池知事は会議の席上、「被害想定の結果を踏まえ、都の総力を挙げて防災に取り組む」と強調。都は今後、被害軽減の目標や対策を検討し、地域防災計画を修正する。23年1月中にも素案を公表、23年度初めに決定する。 
 今回は、M7クラスの直下型地震と、南海トラフ地震などM8~9クラスの海溝型地震を想定。計5種類の地震モデルを使い、時間帯ごとに被害を算出した。
 このうち最も被害が大きかったのが、都心南部を震源とするM7.3の地震が冬の夕方に発生するケース。23区の約6割の範囲で震度6強以上を観測する。死者の内訳を見ると、建物倒壊など揺れによるものが3666人、火災によるものが2482人。建物被害のうち揺れは8万2199棟、火災は11万2232棟だった。12年の想定と比べ死者は約3500人、建物被害は約10万9900棟減少した。
 同会議の平田直部会長(東京大名誉教授)は会議後の記者会見で、6434人が犠牲となった1995年の阪神大震災に触れ、「(前回想定より減ったが)6000人を超える方が亡くなるのはあってはならない大災害。一層耐震化を進める必要がある」と述べた。
 一方、これらの地震が日中に起きた場合、交通機関がまひするなどして自宅にたどり着けない帰宅困難者は約453万人発生すると試算。従来想定の約517万人から減少した。
 南海トラフ地震については、揺れによる被害はほぼ生じない一方、式根島(新島村)で発生から約14分後に最大約28メートルの津波を観測し、伊豆・小笠原諸島で津波被害による死者数が約1000人に上ると推計。こちらも対策の進展により、13年に公表した想定の約1800人から減少した。
 ◇都心南部直下地震の被害想定(カッコ内は2012年の従来想定)
▽死者       約6100人(約9600人)
▽負傷者    約9万3400人(約14万7600人)
▽建物被害  約19万4400棟(約30万4300棟)
▽避難者      約299万人(約339万人)
▽帰宅困難者    約453万人(約517万人)
(注)マグニチュード7.3。帰宅困難者は日中、それ以外は冬の夕方、風速8メートルを想定

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