2022-05-24 14:00World eye

ロシアの戦死者、若年・貧困地出身・少数民族が大半

【パリAFP=時事】ロシアによるウクライナ侵攻で戦死したロシア兵の大半が極めて若く、貧困地域出身であることが、メディアなどの調査で明らかになった。少数民族も多いという。≪資料写真≫
 旧ソ連時代のアフガニスタン侵攻では、1979~89年で約1万5000人のソ連兵が死亡したが、ウクライナ侵攻での戦死者はすでにこれを上回っているという。
 ロシアはウクライナ侵攻での戦死者数について口を閉ざしている。累計戦死者数は3月2日には498人、25日には1351人となったと発表したが、それ以来、新たな情報は公表していない。
 ウクライナ側は、ロシアの戦死者が2万7000人に上るとしている。西側諸国はこの数字は多すぎると指摘するが、それでもロシア側の発表は大きく上回ると考えている。
 英国防省は今月15日、ロシアがウクライナに投入した地上戦力の3分の1を失った可能性が高く、約5万人が死亡または負傷したとみられると発表した。
 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9日の戦勝記念日に、戦死者数には触れなかったものの、被害の重要性を珍しく認めたかのように、戦死者を追悼した。
 プーチン氏は「あらゆる兵士や将官の死は、われわれの悲しみであり、愛するものたちにとっては代わりがない損失である」と述べ、遺族や負傷者の家族への支援策を発表した。
 ロシア語メディア「メディアゾナ」は、公表されている情報のみでも、5月6日までにロシア兵2099人の死亡を確認できたと報じた。
 年齢が公表されている死者では21~23歳の割合が最も多く、20歳未満も74人含まれていた。
 地域別では、戦死者の大半をロシア南部出身者が占めていた。イスラム教徒が多い北カフカス地方のダゲスタン共和国の兵士が最多で135人。次いで、シベリア連邦管区のモンゴル系少数民族ブリャート人が住むブリャート共和国出身者が98人だった。
 首都モスクワや第2の都市サンクトペテルブルクなど、国内の他の地域よりかなり裕福な地域出身者の死亡は、数えるほどしか報告されていない。

■教育格差
 オンラインニュースサイト「リドル・ラシャ」に寄稿するパベル・ルージン氏はAFPに対し、「地上部隊の兵士や将校の大半は小さな町や村の出身だ。このことは社会経済、ひいては教育格差と関係がある」と指摘した。
 「地上部隊の入隊条件は比較的低く、優秀で高学歴な兵士や幹部候補者は航空宇宙軍や空挺(くうてい)軍、海軍など他の軍に配属される」
 ダゲスタン共和国は、長年にわたるイスラム過激派との戦いで、ロシア最貧地域の一つとなっている。地元メディアやメッセージアプリ「テレグラム」は、国の弔問を受け悲しみに暮れる戦死者遺族の写真や映像であふれている。
 ブイナクスキー地区のトップ、カミル・イジイエフ氏は今月6日、戦争で死亡したダゲスタン出身者5人の遺族に勲章を授与する様子を捉えた動画を自身のテレグラムに投稿した。勲章を授与された兵士の妻や母親はイスラム教徒とみられ、スカーフを身に着けていた。
 イジイエフ氏は遺族に「あなた方は、父親が勇敢にも命をささげた子どもたちの母親として生きなければならない」と呼びかけた。
 ルージン氏は、地方や少数民族の多い地域では明らかな反抗の兆候は見られないが、将来も何も反応がないとは限らないと指摘する。「表立った反抗ではなく、徴兵や入隊を避け始めるといった隠れたものになる」【翻訳編集AFPBBNews】

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