2022-05-23 13:44World eye

NASA火星探査機インサイト、ミッション終了間近に

【ワシントンAFP=時事】約4年にわたり火星の内部を調査してきた米航空宇宙局(NASA)の着陸探査機「インサイト(InSight)」が、今夏で任務を終える可能性が高まった。太陽電池パネルに積もった塵(ちり、固体微粒子)のせいで、電力が徐々に弱まっているためだ。≪写真は米航空宇宙局(NASA≫の火星無人探査機「インサイト」のイラスト。火星の中心部を調査する初のミッションとして、2018年5月5日に打ち上げられた。NASA提供)
 NASAは17日、インサイトの任務は終了が間近に迫っていると発表。後に残される観測データという財産は、この先何年も世界中の科学者に活用され、惑星形成に関する理解を向上させる助けとなるに違いないと述べた。
 超高感度の地震計を搭載したインサイトは、火星の地震活動(火震)を1300回以上記録した。今月4日には、これまでで最大規模のマグニチュード(M)5の揺れを観測した。  
 だが、地震計の電源は7月頃に切れると考えられており、その後2022年末までに探査任務が完全に停止する見通し。?

■「宝の山」
? 原因は、2枚の太陽電池パネルの上に何か月にもわたって降り積もった火星の塵だ。
? インサイトは、2018年11月に火星に到着した。現在、火星上では同機を含めて4件の探査ミッションが進行している。残る3件は、NASAの探査車「パーシビアランス(Perseverance)」と「キュリオシティー(Curiosity)」、中国の探査車「祝融号(Zhurong)」だ。
 インサイトに搭載されたフランス製の地震計は大きな進歩を成し遂げた。インサイトの調査責任者を務めるNASAジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)のブルース・バネルト(Bruce Banerdt)氏は「史上初めて、火星の内部を地図化することができた」と語る。
 地震波は通過する物質によって変化するため、火星の内部構造を調べるのに利用できる。
 科学者チームはこれまでの調査で、火星の核が液体であることの確認と、地殻の厚さの測定に成功している。火星の地殻はこれまで考えられていたより低密度で、三つの層で構成される可能性が高いことも明らかになっている。
 観測されたマグニチュード5の地震は、地球では巨大地震とは見なされないものの、過去に記録された火星のどの地震よりもはるかに規模が大きく、火星で起こると考えられる最大規模に近かった。
 バネルト氏は「この地震を詳細に分析すれば、きっと科学的データの宝の山になるだろう」と話している。【翻訳編集AFPBBNews】

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